金閣、銀閣
テーブルマナーでは、ヴァランティーヌさんは優雅な物です。
正真正銘の王女さまですからね。
マナーをたとえ知らなくても、お澄まし状態のヴァランティーヌさんとなると、クラスメートも、『さすがは妖精と言われるだけの事はあるわ』と、胸の中で思ったようです。
夜、ヴァランティーヌさんと明子さんは、ダブルベットで一緒に寝ました。
ヴァランティーヌさんは夜はネグリジェです。
お姫様のような可愛いネグリジェ……
ヴァランティーヌさんが、
「明子ちゃん、美子様はね、パジャマよりネグリジェの方がムラッとされるのよ、シャネルの五番ではダメなのよ」
まったく、どこからそのような話を聞いたのか、大したものですよ。
事実、明子さんはドキッとしたのです。
「明子ちゃんには、こんなのが似合うと思うの、用意してきたの」
これまた、かなり色っぽい物を取り出しました。
ヴァランティーヌさん、さっさと明子さんが着ていたパジャマをはぎ取り、ネグリジェを着せています。
その後、二人はダブルベッドで寝たのでしたが、結構エッチな話をしたようです。
その夜、明子さんはヴァランティーヌさんに、『ひとりエッチ』なんて教えられたもので、手があらぬところへ行ったり来たり……
汗をいっぱいかいたこともあり、朝シャンなんてすることに、するとヴァランティーヌさんが入ってきました。
「明子ちゃん、長くしてたのね」
なんて云ったものですから、明子さん、真っ赤になりました。
「別に恥ずかしいことではないのよ、私たち、美子様に捧げられたのですから」
やはりエラムの少女は、価値観が少し違うような気がしますね。
このあとヴァランティーヌさんが、女性の身体について長々と説明をしたのです……
朝食ですが、二人は朝早くからお風呂など入っていますので、昨日の夕方のように、バッチリと決めています。
とにかく明子さんの雰囲気が変わってきています。
そこはかとなく、色気が出てきたのです。
焼き魚、出し巻き、など、極めて普通の和定食ですが、皆さん、昨日ははしゃぎすぎたのでしょうね。
かなりお疲れの様子、頭など、蜂の巣状態の子もいました。
先生に注意されていました。
朝食の最中に先生が、
「皆さん、食事しながら聞いてください」
「本日は一日中自由行動で、班単位で京都をめぐって、京都駅に午後四時、集合することになっています」
「皆さんが選んだ観光コースをタクシーに乗って移動しますが、聖ブリジッタ女子学園山陽校付属女子小学校の生徒として、恥ずかしくない行動をして下さい」
「そして引率の先生に従ってください」
「荷物はなるべく軽くするように、これから自宅へ帰るまでに使わない物は、宅配便を用意しますので送るように、では食事後、三十分で荷づくりをして下さい」
どうやらこれも教育の一環のようです、自分で判断するのですからね。
三十分後、
「ではタクシーが来ています、一班から順に乗ってください、先生方もよろしくお願いします」
この教師たちを取り仕切っている先生が、ヴァランティーヌさんたちの班の引率をしているのです。
「さて皆は行きました、私たちも行きましょう」
ヴァランティーヌさんたち第十班も、最後にホテルを後にしました。
クラウンの中型タクシーに乗り、十班の五人は金閣寺へ、本日のコースは金閣、銀閣、清水寺です。
やはりこのコースを選んだ班は他にもいたようで、聖ブリジッタ女子学園山陽校付属女子小学校の制服がチラホラ見えます。
金閣は文句なしで綺麗です、さすがのヴァランティーヌさんも見とれています。
銀閣は当然、次の言葉が出ました。
「銀色じゃない!」
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