店の醤油差し 我が家の醤油差し

 ホームセンターに行くとオシャレで機能的な醤油差しが目に入ることがある。注ぎ口が金属製になっていたり、そもそも陶器製でティーポットと勘違いしてしまいそうな形だったり。それ以外にも、醤油メーカーが製造しているモダンな醤油差しもある(スーパーで買えるが、今はどうだろう)。それに比べてウチの醤油差しは取り立てて何の特徴もないものである。シャープで美しい形状という訳ではなく、かといってとりわけ使いやすいというわけでもない。材質はこれまたよく見るプラスチック製で、形状としてはレトロともモダンともつかないどっちつかずな感じ。カラーリングは黒いヘッド部分に、赤いラインが入っていて見ようによっては不気味にすら見える。それを十年以上は使っているのだが、特別困ってはいないのかずっとこのままである。

 店の商品として陳列されている醤油差しの多くは、液ダレしないことを売りにしていたりそもそも量が調整できるものもある。軽い樹脂製のものや、オシャレなガラス製のものもあった。いずれも使いやすさを重視していることは想像に難くない。

 かつて、醤油差しは陶器製が主流であり液ダレが頻繁に起きる為、受け皿が添えられているものが多かったという(祖母の家にある)。それが劇的に変化したのは、キッコーマンが発売した卓上醤油ビンのおかげといっていいだろう。曰く、「醤油を気持ちよく使ってもらいたい」という思いから開発されたこのビンは、ボディの部分がガラスであるために中身が見えて(醤油の残存量が分かる)しかも食卓に馴染むデザインであった。さらに、当時としては画期的な注ぎ口斜めカットで液ダレを完全に克服した(グッドデザイン賞を1993年に受賞)。海外からも評判を得ているという。

 しかし、昨今では醤油差しの地位が危ういものになっている。というのも、キッコーマンが発売した、新鮮なまま使えるボトルというのがあるからだ。それでも、未だに醤油差しを使っている家は数多くあり、私としても醤油差しそのものは消えて欲しくないと思っている。醤油差しがないちゃぶ台は風情がなくて寂しいのだ(ボトルにすると食卓の中で浮くというのもある)。

 ちなみに、醤油差しの中にはお魚型のものもあるが、私はあまり見たことがない。スーパーやコンビニ弁当についていることがあるようだが、馴染みがある訳ではなく、初めてその存在を知ったのは理科の教科書だった覚えがある。お魚型である理由は分からないが、面白いなと思った。

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