塩に貴賤なし パートⅡ

 近所のスーパーで豚バラブロックを購入し、海塩を揉み込み冷蔵すること四日。切りにくい包丁でスライスし、タイミングを見極めながらフライパンで焼いたのだった。全ては、「昔の人の気持ちが知りたい」という好奇心から始まったことだが、成功したかというとかなり微妙である。というのも、肉を包丁で切るのはこれが初めてなのだ。普段は小間切れかお惣菜ばかりなので、肉を切る時の処置がこんなに面倒くさいとは知らなかった。ついでに豚バラブロックは割高だったので、そういう意味でもこのチャレンジは二度としたくない。

 で、お味の方はというと。塩辛くはないが、単調な味である。所謂「下味がついている」状態であり、これだけでは足りない。昔の人は普通にここまでしたのかと思うと、逆にすごいと思う。ちなみに豚バラは脂身が比較的多いので、それだけで食べるのはおすすめしない。というのも、脂が重いからである。その為、脂が中和できる野菜と一緒に食べるのがベストである。

 さて、あまりに味気ないのでタバスコをかけてみたが、今度は辛いだけで酸味が感じられない。香りはいいのだが、とにかく辛い。おいしくなったがそれでも辛い。タバスコに酢が入っていることを忘れそうになるレベルである。食べていくうちにだんだんと体が火照っていくので休み休み食べていった。アメリカでタバスコが肉用ソースとして使われている理由が分かったような気がする。皿には脂(ラード)が溜まっているが、冷めるとどんどん固まっていく。その上舐めてもあんまりおいしくはない(植物油の方がいいと思えるレベル)。それでもサラダをお供に(切れたらみかんをお供に)、何とか完食したのだった(口直しにどら焼きを食べた)。

 初めてだったが、この塩漬け肉は比較的おいしく出来たと思う。あともう少し遅ければ大変なことになっていたかもしれないが。曰く、昔の人は臭くて不味い塩漬け肉を食べていたらしいが、今は保存技術などが発達しているのでその心配はない(腐らせたらおしまいだが)。作ったら作ったで昔の大変さがよく分かったような気がする。どちらにせよ、こんな大掛かりなチャレンジはこれっきりにしたいというのが正直な感想であるが、昔の人の気持ちを知るためのチャレンジには今後も挑戦していきたいと思っている。

 ちなみに、塩漬けにする際の塩は、どちらでもいいようで地域によってメジャーなものを使えばそれでいいようだ。まあ、今となってはどうでもいいことではあるが。

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