第84話〜調査クエスト
…………。
「ルナちゃん、Dランクになった事だし、調査クエストを受けてみない?」
「ちょーさ?」
ぴょ?
ルナちゃんとお買い物を楽しんだ次の日、ギルドにいくとミルさんが調査クエストをしないか聞いてきた。
調査クエスト…?
何かを調べたりするクエストかな。
ミルさんの説明によると、Dランクから調査クエストを受けられるようになるみたい。
数日以上かかる長期のクエストはDよりも下のランクの冒険者は受けられないよう規則で決められてるんだって。
モンスターのいる森や遺跡に行く事もあるし、野営もしなきゃいけないから、ただ戦闘が強いだけじゃダメなんだとか。
調査クエストは個人というよりは村や町、その街の領主から出される事もあるし、詳細を聞く為に実際にその依頼主の所に行ってからがスタートみたい。
また、クエスト先で冒険者が見聞きした情報を元に、ギルドが出すこともある。
クエストの最中に見かけた危険なモンスターの情報とか。
今まで存在を確認されていない生き物、建物、それ以外。
元々いるモンスターが増えすぎてないかとか、生態系の調査なんかもあるみたい。
専門家のいる調査団の護衛なんかも調査クエストに入るんだって。
…………。
なるほどなるほど。
調査クエスト。
面白そうだね!
(°▽°)
決まった時期にしか現れない生き物とか植物を調べたりなんかもするんだって!
珍しい動物とかにも会えるかも!
「ちょうどDランクの調査クエストが上がってるの。場所は比較的近場だし、ギルドが定めた危険度もそんなに高くないわ。経験を積むって意味でもちょうどいいんじゃないかな?」
「ちょーさ…」
ん?
ルナちゃん、なんか考え込んでるみたいだね。
「ちょーさクエストで、ひと探しは、できますか?」
「人探し?うーん、冒険者ギルドは基本的に個人を調査するようなクエストは扱ってないわ。行方不明になった冒険者を捜索する依頼は時々あるけど…。あとはギルドを介さない個人依頼になるわ」
「ん。わかった…」
ルナちゃん…!
そっか、ルナちゃんはお姉さんの捜索を冒険者ギルドに依頼しようと思ったんだ。
けど個人の捜索とか調査は基本的にやってないんだね。
ルナちゃんの頭に移動する。
落ち込んでしょんぼりしてる猫耳を優しく毛繕いしてあげたらすぐにピョンとした。
よしよし!
ちなみに頭が定位置の白夜ちゃんは騒がしいのが嫌いだからって冒険者ギルドに入る前にいつもどこかに行っちゃうよ!
…………。
「誰か探してるの?」
「ぅん。おねえちゃん…」
拙いなりにルナちゃんが説明したけど、やっぱり人探し、それも元の場所も名前も持ち物もなく、名前と見た目だけじゃ仮に依頼を出しても受けてもらえないって。
それに依頼を貼ってもらっても、ずっと依頼として出し続けるにもお金がかかるんだって。
冒険者ギルドも慈善業じゃないもんね。
これからも地道に聞いて回って探すしかないね。
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