第18話 『クリスさん?やっぱり怒ってます?』

クリスに手を握られたまま、動けない状態で、クリスの寝顔を見ているしかなかった


女の子に手なんて握られた事が無かった俺は

心臓が

『ドクン』


『ドクン』


『ドクン』


『ドクン』


って痛いくらいに激しく撃ち続け

息ができない位の痛みに思わずふかふかのマットレスに顔を押し付けて悶絶している


うちに疲れていた俺は不覚にもそのまま眠っていたみたいだ。


・・・


・・・


俺はふと顔をくすぐるような感覚に、徐々に意識が浮上してくるような感覚にゆっく


りと目を覚ます。


眠い目をなんとかゆっくりと開くと・・・


なんと!!


目の前には!!


『クリスの寝顔』


「うをっ・・」

思わず声を上げそうになって自分の口を空いた手で塞いでしまう

まさか、起きた俺の目の前でクリスが寄り添って眠っているなんて思いもしなかった


ぜ!!

『それも!!息がかかる位至近距離!!』


『ドクン』


『ドクン』


『ドクン』


『ドクン』

っと俺の心臓が一気に激しく鼓動する

落ち着け俺!!


俺は自分の口を手で押さえながら


『スーーー』


『ハァーー』


『スーーー』


『ハァーー』



と大きく深呼吸を繰り返す

クリスって容姿はクリスティーナ・・・だもんな~

起きた時にこの顔が目の前にあるなんて反則だよな!!


『思わずくちびる奪ってしまいそうだったぞ!!』


それにしても・・

手、未だに握ったままなんだが・・・

クリスが眠ってた時に無意識に手を掴まれたまま俺眠ってしまってたんだが・・

その時はクリスはベッドの真ん中に寝らせていたハズ!!


でも今はベッドの端で眠ってしまった俺の顔の直ぐ傍にクリスの顔がある!!

これって!!


『クリスが一度起きて手を握ったままで此処まで来て・・・』


もしかして・・


クリス俺の眠ってる姿を間近に見ながらまた眠ってしまったのか?


『うをぉ~~俺の寝顔見られてたと思うとめちゃめちゃ恥ずかしいぞ~~』


それにまだ手を握ったままなんてクリスさん?

超~恥ずかしいんですけど・・・

『俺がクリスの手を握ったってクリス思ったのかな?』


もしかして・・超~勘違いとか・・されてる?

『よし!!無かったことにしよぉ~~~~!!』

そ~~っと

手・・解くぞ!!


そ~~っと・・

俺はクリスが握り締めている指を・・・


そ~~っと指で摘んで開けてゆく

眠ってる時にやると・・


超~~いけない事してるような気分になっちまう・・・

『冷や汗が出てくりぞ・・』


まず人差し指・・を・・

もう少しで・・


『ピクッ』


お・・

また握り戻された・・・

うをぉ~

何やってんだ俺~~


もうちょっとで一本外せる所だったのに!!

もう一度だ!!


そ~~っと・・

人差し指を・・


摘んで・・


『ピクピクッ』



う・・またか・・・

そう思った瞬間クリスの瞳が


『パチッ』



っと大きく見開かれ

「あ・・裕翔くん起きたんだ~」

と言った瞬間飛び起きて俺に抱きついてきたクリス

「おおおおおおおおおぉお~」

クリスの余りにも驚きの行動に

俺は情けない悲鳴を上げていた。


「おはよう~だね~裕翔くん」


「おおお~おはよう~クリス」

クリスの挨拶にシドロモドロに答えてしまう俺!!


そんな俺に追い打ちをかけるように

「裕翔くん挙動不審だよぉ~どうしたのかな?やましい事でもあるのかな~?」

と疑問の言葉をクリスはかけてきた。


「いえ・・そんな事は・・」



と言おうとして


『ギシッ』


『ギシギシッ』


『ギシギシキシッ』


『ギュギュギュギュギュッ』


俺の体を急激に締め付けてくるクリス                     「いたい・・痛いんですけどクリス・・さん?」

体中の骨が軋みそうな位に強く締めてくるクリスに思わずそんな泣き言を言っていた俺


その途端にその場が凍るような悪寒

そして


「あの女は誰?誰なの? 何処から連れてきたのかな?裕翔くん答えてくれるよね~ね~?裕翔くん?」

     

笑顔で聞いてきてるけど・・目が笑っていないんですけど・・


『クリスさん?やっぱり怒ってます?』


「それは、お城が広くくてですね・・」

「お城が広いとどうしてあんな可愛い女達が増えるのかな?裕翔くん答えれるよね??どうしてボブカットの可愛いドレス姿の美少女が3人もいるのかな??」


『怖いですクリスさん・・』



『それに骨が折れそうですクリスさん?』



つづく・・・

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