『いいね』の数=自分の価値?

『いいね』の数で評価される社会。
 就活生のケンゴは内定をもらうため、自分の価値を見出すため『いいね』がほしくてしょうがないのですが、結局都会での就職を諦め、実家の牧場で働くことになります。
 そして従業員の女性との出会いにより、ケンゴの心境に変化が……。

 画面上だけの『いいね』の数でも一喜一憂、モヤモヤしたり振り回されたりしてSNS疲れに陥る人もたくさんいるのに、社会がそんなシステムになってしまったら……。

 そんな恐ろしい設定なのですが、文章に勢いとユーモアが感じられて読みやすく、面白かったです。
 遠条さんのキャラとセリフが爽快です!
 
 多くの人の共感を呼び、冷静さを取り戻してくれる作品だと思います。
 他人事ではない私もケンゴや田中一郎に感情移入しつつ、客観的になれました。