大学生活を送るにあたって、一人暮らしを始めた主人公。しかし、主人公の部屋の隣に入居したのは、高校の時に主人公が好きだった彼だった。
不器用な主人公は、大学内での人間関係に悪戦苦闘。もっとこうしたい、こうなりたい、という思いはあるのに、空回りしてばかり。一方の彼は髪を赤く染めてタバコを吸い、まるで高校時代とは別人だった。しかも、主人公が部屋のベランダに出るたびに彼もベランダに出てきて、主人公に失礼だが的確な言葉をかける。
主人公が彼を好きになったのは、高校時代。掃除のときに割れた花瓶を、淡々と片付ける彼を見てからだった。そんな彼は大学進学と同時に変わってしまったのか? 大学という自由な場所。服も髪型も、自由。制服も校則もないからだ。でもだからこそ、置いていかれまいと必死だった。
そんな中、親しい男友達が現れ、彼に近づかない方がいいと忠告する。
果たして、主人公と彼の関係はどうなるのか?
他人との距離や、自分の居場所でもがいている人に贈られるべき一作。
是非、御一読下さい。