相棒


「ふーん、モンスターは私のサブマシンガンで処理したんですか」


「片手だからかなり反動で荒ぶったが、一応撃てたからな。モンスターそのものも毒に全能力を振っていたような感じなので倒すのは容易かった」


「毒は大丈夫だったんですか?」


「幸いなんともなかった。爪で斬られて頬に傷がついたくらいだ」


「私はそれで溶けたんですけどね。さて、私が舐めて癒やしてさしあがあがががが、顔を握りつぶそうとしないでくださいー」


 茶番はこれくらいにして遺跡に向かいましょう。予測では宝物庫のようなところで、敵はでません。


「これが入り口ですか。宇宙船みたいな格好してますねえ」


「宇宙、か」


「ええ、じゃあ入ってみましょう。これがボタンかな、ぽち。ロックされてますね。機能ロックがある程度解除された私なら、この扉に液体化させた自分を這わせてハックするくらいなんのことは…………開いた。ないんですよ」


「よし、いくか」




 内部は予想通り宝物庫でした。小さめ。高級車、古代の何らかの機械、おそらくはゲーム機等


「いわゆる財宝はないですけど、お宝はありましたね」


「ああ、まあそうだな。これは培養槽に入った……」



「「生体サイボーグ」」



「ここから先は化け物ちゃんがやります。培養槽の液体も飲んで分析精密調査したいですし」


「すまんが、頼む。しかし、両腕だけか」


「全身サイボーグ化したいんです?」


「いや。まあ続けてくれ」


 ぶおーーーん。分析中。ぬいーーーん。解析中



「下の機械部分の解析が終わりました。このサイボーグを間違いなく安全に取り出せます。培養液もサンプルが取れました」


「取り出すか。これを接続工場に持っていけば晴れて俺の右肘から先が復活するわけだな」


「ええ、取り出します。ただ、この生体サイボーグは分離できるところが……肩からとなっており……」


「つまり、俺の肩から先を全部取り替えることになる、と」


「どうしますか?」





 だいぶ悩んでますね、ハルくん。こんな姿初めてです。



「よし、決めた」


「いかほどに?」




「取り替える。両肩を取り替えるぞ」




「両肩!? ……いいんですか、大事な身体ですよ?」


「化け物に肩を並べるとしたら、生体サイボーグになるしかないだろう」


「並ばなくていいんですよ?」


「それが俺の意思だ」


「むう。わかりました」


 やること決まったし実行するのみ。培養液を排出して培養槽の蓋を開けて、回収。異次元倉庫に詰め込んでおきました。しかしまあ、見た目は完全に人のそれですねー。サイズ調整とかどうやってするんかしら?


 回収した後は遺跡を出て、取り敢えず中心地パオームへ。サイボーグ移植施設の利用方法を調べないといけませんからねえ。お役所かなー?


「問い合わせたら、一般人の使用は禁止だそうです」


「まいったな。大きい都市なら利用できるところもあるが」


「んー、私を信用してくれるならやってやれないことはないのですが」


「ほう、どうするんだ」


覚えるんですよ盗むんですよ



 ★



 やってまいりましたサイボーグ移植施設、の外。今回はソロ活動で攻略していきます。


 えーまずは服を脱ぎます。すっぽんぽーん。


 その後形態変化で水になります。じょばあ


 そのままだと大きな水になるので、細かく分裂します、1つ1ccくらいかな。。1つは私、私は1つ。全てが私です。


 水、侵入しまーす!




 見事に何の警戒もなく内部に侵入できました。そこまで広くないのでなんとかなりますね。

 ある程度集合させてカメラを形成して、全てを録画しますかねえ。しゅーごーしゅーごー


 700ほどの小型カメラ付きドローン(物理法則を破っているので翼なしで浮遊してる)を作成できました。うしし。

 さあ、ゆけ!こどもたちというかわたしたちよ!



 内部は研究所になっていて、特に見張りはいませんでした。

 んー、培養槽に人が眠らされてますねえ、ふんふん。みんなどこか欠損しておる。

 中央壁面にある機械でなにかされるとサイボーグがくっつく感じですねえ。あの中に何機か飛ばしましょう。


 ふーん、ふん。腕や身体のリサイズして、ああなってこうなって。システムちゃんちょっとお願い。

【表面人格がわかるわけ無いと思ってた。解析開始】






【解析完了。ズレを勘案しても99.9999985%程度の精度で『桜色の完全模倣』サクラ・パーフェクト・コピーができるわ】


 さすがはシステムちゃんです。サポート人格のほうが頭いいというね。よし、帰りましょう。



 ★



「というわけですどやぁ」


「知識があっても設備がないぞ」


「そんなのですね、こうして、形態変化させた手を引きちぎって、これを物質転換すれば、はい、培養槽及びサイボーグ移植設備の土台になりました」


「さすが化け物」


「でしょー。これと培養液をこの部屋に作っちゃいます。後は完成した培養槽に入って工事すればサイボーグ化が出来るのですが、最大の障害は……」


「信頼できるか、だな」


「ええ。その、普通なら完璧にやれる自信はあります。ただ私はこの宇宙とズレてますし、極めて低確率ですが何が起こるかわからないというところがあります」


「ふむ…………」





「失敗はしないだろう。お前を信じる」


「! ……わっかりやした!」


 ★


 少し時間が経ちまして。なにせ自分の体をちょきちょきさせて形作っていくわけですから凄いエネルギーが必要なんです。日中は仕事してますし。

 エネルギーは専らご飯から。通常の3~5倍は食べてました。妊婦さんみたい❤


「さて完成しました。培養槽兼サイボーグ移設設備です。後はハルくんを培養槽に漬けてあれやこれやすれば生体サイボーグハルくんの出来上がりです」


「俺を料理みたいに扱うな。じゃあ、行ってくる」


「はい、じゃあ服を脱いでいただいて、そしてこのマスクを……液を飲まないためにこれをこうして……じゃあ意識落としますよ……」


 ハルくんは培養液の中に入っていきました。後は工事するだけ。工事も模倣コピーしてあるので自動です。


 培養液そのものが緩衝剤かつ接着剤的な役割を果たすので、3日ほど漬け込んでから工事開始!ドキドキ




 成功だと思います。培養液に6日漬けてから意識を回復させました。



「おかえりなさいハルくん、気分はいかがですか?」


「……おまえ、いや、サクラの記憶が混じってきたぞ」


「ふぁ?」


「この培養液、サクラのナノマシンとやらで出来ているんだろ、それのおかげか記憶が少々移植されたようだ。奴隷大変だったな」


「あああああああああああああばばばばばばばばばばばばば」


「それとな、おそらくだが。『春色の煌ききらめき』、現出しろ『水生成』クリエイトウォーター


 じょばあ


「おお、魔法ですか。口上がそっくりですけど」


「模倣だよ、サクラの。ほとんど生まれ変わった気分だ。生体サイボーグの調子も良い」


「おおー、ナノマシン溶液っちゃー溶液なので、それが功を奏した感じでしょうかね?魔法が使えるようになったのは素晴らしいです。というかサクラって言ってくれるんですか、気絶しそう」


「ああ、よろしくな相棒サクラ。後使っていない機能といえば……」


「さくやはおたのしみでしたね」




 生き延びさせました!! やりました!!

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