社畜のまま40歳で命を落としたタダシが選んだのは、勇者でも賢者でもなく農業の神様の加護。降り立った先は、何もない荒れ地「辺獄」でした。
一番の魅力は、ゼロから暮らしを作っていく手触りです。手製の掘り棒で畑を耕し、縄目模様の土器で魚のスープを煮込み、神様の像をこしらえてお供えする。麦わら帽子の農業神や、酒とツマミに目がない鍛冶の神が焚き火を囲んで指南してくれる、ほのぼのした掛け合いも楽しいところです。加護の力で作物がぐんぐん育つ爽快感もあり、肩の力を抜いて読めます。やがて豊かな食糧に惹かれて多彩な仲間が集まり、村が国へと広がっていくスケール感も見どころです。