海水浴旅行─三日目

 昨日は疲れた。海の家の手伝いの疲れに加え、夜にたっぷり求められた疲れが。三人とも元気過ぎやしませんかねぇ…… まあ、そういうところも大好きだからいいけど。


「彩華が全然海に入ってないね」

「そうだね。今日で帰るし、泳ごうかな」


 今日も海の家の手伝いがある。「また明日も来てくれ」って言われちゃった。頼まれたら断れないんだよ。


 ☆


「はい焼きそばー」

「運ぶねー」


 午前中だけ手伝うことになった。ちなみに店長はバイトの面接をしている。昨日のSNSでの反響から、応募がけっこうあったそうだ。今日の午後は午前中に決めたバイトの人でやるそうだ。即戦力って大事だよね。


「今日も賑わってるな」

「私たちって世間から見てもそんなにかわいいの?」

「かわいいを通り越して神」

「やったー!」

「料理も褒められてたよ?」

「そんなに自信ないけどな」

「その辺のお店よりおいしいよ?」

「婚約者に褒められるのはすごくうれしい。全力で作るぞ!」


 ☆


 バイトの面接も終わり、解散になった。二十人中十人受かったそうだ。この人数なら大丈夫そうだ。


「今日はビーチバレーでもしようか」

「そうだね」


 じゃんけんしてチーム分け。

 チーム「料理上手」俺、大城、香緒里

 チーム「巨乳」春香、秋穂、彩華


「なんだこのチーム」

「まあいいじゃんやろう」

「現役バレー部に注意しよう」

「コウの腹筋……」

「だいちゃんの腹筋……」

「女性陣大丈夫かこれ」


 ☆


 接戦だった。現役バレー部の彩華と、力業の俺と大城。でも負けた。やっぱり目が胸にいってしまう。だって人間だもの。


「今日で帰るのかー」

「楽しかったねー」

「また来年も来ような」

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