文章、世界観、戦闘描写のどれを取っても、かなり完成度の高い作品でした。
完全な異世界を舞台にしながら、設定を説明するために物語を止めるような場面がほとんどなく、必要な情報が会話や戦闘の中で自然に入ってきます。それだけ情報量が多いのに読みづらさがないのは、かなりすごいと思いました。
特に戦闘描写は、人物の位置や攻撃の流れ、相手をどう攻略するのかが分かりやすく、単に派手な技をぶつけ合うだけではなく、観察と判断の積み重ねで戦っているのが面白かったです。
また、神の介入によって戦争は終わったものの、人間同士の関係にはむしろ決着がつかなくなった、という構造も印象に残りました。タイトルが物語そのものにしっかり結びついているのも好きです。
ほとんど不満なく読めたのですが、一点だけ、本当にここで完結なのだろうかと思うほど多くのものが先へ続いている感覚がありました。
短編としてテーマには一区切りついている一方で、世界や人物にはまだ先があるように感じます。
その「もっと続きを読みたい」と思わせるところまで含めて、非常にレベルの高い作品でした。