第24話 ツンデレな僕の幼なじみとの報告
僕が部活を始めることを決めた翌日。
もう一人、このことを告げなければいけない人物がいた。
「に、人形演劇部!?」
僕の幼なじみ、
朝の登校時間だったので、通勤途中のサラリーマンや、小学校へ向かう子供たちが僕たちをチラチラと見てくる。
「
「だっ、だって! ぐぐっ……」
僕に指摘されて気が付いたのか、
そして、結んだ両端の髪の毛をぴょこぴょこと動かしながら、彼女は話を続ける。
「人形演劇部って……あんた、そんなのに興味があったわけ?」
「いや、そういうわけじゃない……けど」
「だったら、なんでその部活に入ったのよ?」
切れ長の目で、じっと見てくる
ううっ……変に嘘を吐いても、言い訳がましくなってしまいそうだ。
なので、僕はありのままに事の顛末を
途中で
「全く、いっつも変なことに巻き込まれるんだから、
「ご、ごめん……」
「あたしに謝ったって仕方ないでしょ。あんたがそういうのに首を突っ込むことは、よく知ってんだから……」
んー、自分では普通にやっているつもりなんだけど、
「……あんたのお人よしっぷりは、あたしが一番よく知ってるのよ」
ぼそぼそと、
しかし、すぐに僕のほうを向いて尋ねてくる。
「で、
「うん……それは大丈夫。むしろ、なんか喜んでた」
「??」
首を傾げる
姉さんは、買って来たパペット人形をずっと手につけたまま、僕と会話をしていた。
その表情は、子供に戻ったみたいに無邪気なものだったけれど無駄にテンションが高くて宥めるのが大変だった。
そのことを
「ほんっと、陸には甘いわよね、
仰る通りで。
姉さんの過保護っぷりは、僕が高校生になっても、全く改善しない。
まぁ、それはすぐに解決することじゃなさそうだし、ゆっくりやっていこう。
「……あのさ、それで……」
僕が姉さんとの今後のことを考えていると、
「その……部活の先輩って、どんな人なの?」
「どんな人……そうだな……」
僕は
「一つ上の先輩で、眼鏡をかけてる恥ずかしがり屋さんかな? 人見知りみたいで、いつも代わりにブルースさんが話してくれるんだ」
「ブルース……?」
「あっ、パペット人形だよ。すっごいダンディな柴犬なんだ」
「……大丈夫なの? その人が部長で……」
まぁ、僕の説明だけ聞くと、そんな反応になっちゃうよね……。
「大丈夫だよ。僕にも部活のこととか丁寧に教えてくれたし、人見知りなだけで、しっかりしている人だし。あっ、あと
「あのさ、
「ん?」
あれ? どうしたんだろ?
「あたしは、別にその人の外見までは聞いてないんですけど?」
……そうでしたっけ?
「そっか、そっか~。
ゴゴゴ、と
「ちっ、違うよ! そりゃ、
必死に弁解をする僕だったけど、華恋はいまいち納得していない様子だった。
そして、最後に
「あんた、年上の人から好かれやすいんだから、自覚持ちなさいよ」
「えっ?」
そんな僕を見て、
「女の人と二人っきりってことよね……こうなったら……」
きっと、僕のことなんて、もう眼中には入っていないのだろう。
「……あっ」
でも、僕はこのまま
「
「なによ?」
不機嫌そうに返事をした
「そっち、学校とは逆方向だよ」
「……うぐっ!」
下唇を噛みながら、プルプルと震えだす
顔もみるみるうちに赤くなってくる。
「知ってるわよ!
そう言って、
僕の部活動で朝練があるとは思えないけれど、
そうなったときは、仕方がないので僕も早起きに付き合うことにしよう。
それが、僕が
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