第68話 真実

菜々がマキの腕から手を離すと突然、マキが菜々に掴みかかると近くの壁まで菜々を追い詰めると、持ってた銃口を菜々の頭に突き付けた。

もはや今までのマキの面影はまるでない。シロにとってこれは全く見た事のないマキの姿だった。

シロはマキと菜々のことをただ見つめることしかできなかった。


「なんで、なんでまた止めるのよ!!」

「止めるって、約束したから・・・」

「約束って誰との約束のことよ!言ってみなさいよ!!」

「・・・貴方の母親からよ」


そう菜々が言うと、あたりが一瞬静まり返ったかに思えたが、マキが突然大きな声で笑い始めた。

シロもその話には違和感があった。何故ならマキの母親を殺したのは自分だと言っていたのにその母親と約束って・・・


「急に何を言い出すかと思えば。いい、私のお母さんは貴方が殺してくれたじゃない。その母親と約束なんてできるわけがないわ」

「いいえ、あの話は半分が作り話なの。マキちゃんのお母さんを殺した本当の人物は私じゃなくマキちゃん自身なの・・・」

「そ、そんな事あるわけないじゃない!!確かに言い争いとかはしてるっては聞いたけど、だからってマキちゃんがお母さんを殺す理由なんて」

「・・・あるのよ。原因は、貴方よシロ。・・・いや、この場合はエリと言った方がいいかしら」

「わ、私が?」

「えぇ、実はマキちゃん達の喧嘩の理由は、マキちゃんの性格のせいだったわ」

「・・・お母さんは私の意見に同意してくれなかった」

「だから、殺したの?」

「そうね」

「マキちゃんが気絶してたって話したけど、本当に気絶していたのは私。ナイフで滅多ざしにしたのはマキちゃんだけど」

「・・・」

「もしかしてその後からマキちゃんの性格が優しくなったのって」

「この記憶が抜け落ちてたからね」

「じゃあ、今ままでのマキちゃんは全部嘘だったってこと?」

「そう、なるわね」

「う、嘘。だってマキちゃんはみんなから頼られて、可愛くてかっこよくてそんな人だったのに」

「シロ、これが真実なの。嘘偽りのない。マキは自分でやったことを忘れ、自分でやったことを私にかぶせて自分だけ幸せになろうとしてた」

「話は終わった?ならもういいよね」


マキが菜々の返答を待たずして銃を撃った。そしてドサッと何かが倒れる音がした。

シロが恐る恐る見ると、その先には血を流して倒れている菜々の体があった。

そんな菜々に目もくれず、マキはシロの元へ歩み寄って行った。


「さ、エリ帰ろう。私達の家に。モウゼッタイニハナサナイ」

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