第36話 祈祷師

そして家に帰った僕は…


「あーん!ダーリン!寂しかったわ…さあ…キスで慰めてね!」


「はいはい!」


ティナへのサービスを欠かさなかった…


「そうだ!!ダーリン…綺麗な人いた?」


「うん。」


「えーっ!どんな人…?」


「僕が世界で一番大好きで今、僕の前にいる人!」


「きゃーっ!もう…あなたったら…」


その様子を奥で聞いているミスとリルは…


「ねぇ、おねえちゃん…ママってパパのことホントにすきなんだね。」


「パパもママのことだいすきだからね。しかたないよ。だってじいじもばあばのことだいすきでしょ…


だからばあばもじいじのことだいすきだし…うちのかけいじゃないの?」


「おねえちゃん…」


「なあに?」


「かけいってなに?」


「…あまりよくしらない…」







そして次の日、僕は約束通りティナと一緒に例の王宮の祈祷に参列した…


残念な事にその日は小雨で色とりどりの傘の花が咲く…王宮の中庭に並んだ参列者の前を祈祷師が横切る。


昔ながらの番傘でお顔は拝見出来ないが白装束に赤袴…神事を司る高位の魔法使いが来られると思っていたのだが、これはまるで巫女さんのようである…




一通りの祈祷が行われた頃、雨は止んで、祈祷師が僕達の前で傘を畳んで一礼された。


僕は手を繋いでいたミスから祈祷師の方に視線を上げた瞬間、息を飲んだ…!


「あ、あ、愛ちゃん…!」


彼女は「こんにちは」といいながらニコッと微笑んだ。



…そうか…それであの時、彼女は『またね』って…




ティナは僕の様子に驚いて「彼女を知ってるの?彼女は神道を司るミラール王族の姫…」


「こちらの世界ではそうなんだね…


僕が知ってる彼女は僕の高校の同級生…


そして昔、僕は彼女と…」


「ダーリン…まさか…」


「そう…高校生の時に付き合っていたのが彼女…未羅みら あいちゃんだよ…」

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