ジャンル分けというものは、非常に曖昧である。これを大前提として、個人的な意見で言うと。
ダークファンタジーはグロくて非道、ではなくて良いと思うんですよね。
あくまでも暗い面を持っている作品であり、それに抗う冒険譚も十二分にダークファンタジーにカテゴライズされるのかなと。
そしてこの作品においては、主人公の憎しみ、周囲の集団認識、環境の劣悪さ。
これ等において黒い面を前面に押し出しつつも、登場人物達の共依存とも呼べる関係性と、抗い続ける姿勢を描いているのが良いなと感じました。
非常に曖昧な表現をするのであれば、“綺麗な形に歪な世界観”であり、そこに抗う依存と共存を描いた人間臭さ。
今回のコンテストの大前提である、『骨太』であり『ハイファンタジー』を強く意識しながら執筆されたのかなと納得出来るものがありました。
提示されたお題に対しての対応力と言う意味でも、評価のポイントかなと。
何より文章が読みやすく、スラスラと内容が入って来る点も良かったと思います。
ダークファンタジーは人を選ぶというのは分かりますが、悪環境に必死で抗う人間というのは、綺麗なばかりの物語よりも美しく見えたりもするものです。
世界観を味わうと言う意味でも、オススメさせて頂きます。
(「10テーマ小説コンテスト」骨太ダークファンタジー部門 講評4選/文=くろぬか)
今や珍しいとも言えるほどの王道作品。
読みやすい文章に登場人物たちの、なぜそのようにするのかという行動の導線がしっかりと明示されていました。
物語の根本は、『魔女』に関するお話です。
各地で残虐非道な行いを繰り返している魔女ですが、物語を追っていくにつれて疑問が増えていきます。
テオドールの葛藤に、シェリアの信頼。二人の関係性にも注目です。
最近の作品のような『明確で分かりやすい面白さ』はありません。しかし、それが全てはないことをこの作品を読んだあなたは知るでしょう。
読み進めるうちに虜になる……。
まさに旅ファンタジーの傑作です。
どの人物に注目するかで、物語の捉え方が変わって見えますので、ぜひ一読ください!