ラヴクラフトパンプキン2

 二対一。


 字面だけならこちらが有利そうだが、二(人)VS一(柱)。みたいなもの。


 唐箕ガンズを呼ぼうにも隙は無い。一人でやりあうのは無理。音でヤバそうなのを気付いて応援に来てもらうまで踏ん張るorその前に倒してしまうしかない。


 実質二人でやるしかない。


 「俺が前衛をやる。その隙に足をやれ!」


 「承知ぃ!」


 ただでさえ急所が上に有って、しかも蔦が太いから殺傷性と耐久性が高い。


 しかも止めで人数的にキツい。しかも勝利条件が人質解放。


 面倒なこった。


 だが、やるぜ。








 「セイ!」


 鎌爪さんが先陣を切って駆けていく。


 「ウォアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」


 鞭というより柔らかめの棒?が鎌爪さんに迫る。それを回避しつつ切り裂こうとするも、流石の太さ。切り裂く余裕は無かったようだ。


 が、


 「フッ!」


 蔦に鎌を引っかけ、蔦の上を昇り始めた!


 マジかよ………普通に少年漫画のカッコイイシーンじゃん。


 しかも、距離を詰めようとするも他の蔦からの邪魔と足場の揺らぎに翻弄される事無く、確実に急所に迫っている。


 もう、鎌爪さん一人で良いんじゃないか?


 とも思ったが、そうもいかない。


 人質が居る以上、あまり暴れられない。












 そこで俺が要る!(誤字に非ず)


 相手の急所は上、足元はバランスこそ悪いが崩せば頭が重い為、倒壊は容易い。


 故に、鎌爪さんはノーグで削り切らず、視線誘導と攻撃の手数を増やさせていた・・・・・・・。


 足となる蔦を自身への攻撃に向かわせてバランスを悪くするために、














 俺の仕事をやりやすくする為に。

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