トラウマを心の奥底に抱えて苦しむ瑠美は、仕事の一環として少年型のセクサロイド、リュカを一時的に預かることになりました。
性犯罪者やその予備軍の欲求を満たすための存在である彼は、とても従順で美しく、完璧なロボット。
それに対して、瑠美は自分の容姿にコンプレックスを持ち、自己嫌悪も甚だしく、過去のトラウマに囚われて生きています。
初めはリュカの言動に苛立ちを覚えていた瑠美ですが、心のないはずの彼の純粋さに、しまい込んでいた奥底の感情を大きく揺さぶられることに────
「自分が自分でいること」を獲得したロボット。人間ではない彼に、人間としての生き方を教えられた瑠美。
二人の心の交流がぐっと胸にしみてくる、切なくも温かな掌編です。