第73話 撃合

御見内「解体人 そのままタイヤを撃て」



パン パン 



おまけとばかりに3台のテクニカルのタイヤを撃ち抜いていく2人



パァン プシュー パン プシュー タイヤの破裂音が鳴り、ここまで聞こえてきそうな程の勢いで空気が漏れる



御見内「OK いいぞ スピードアップさせろ」



メサイア「あいよ」



そしてSUVが速度を上げ、▽地帯から抜け出すや



その間 ハンドルを取られ、後輪やら前輪をスピンさせた武装車両が互いに接触させた。



追走も追撃も不能となった3台のテクニカルが事故り、自滅するさまを見ながら遠ざかる車中で



メサイア「うっほ~ 何とか上手くいったな」



バイヴス「ふぅ~」



御見内「あぁ…」



だが… 喜びも束の間…



玉突きで乱れたテクニカルの後ろからトラックが平然とそれをこじ開け、突っ込んできた。



ガシャー



1台はケツが弾かれ、ガードレールを突き破って落ちていく



また横向きな車体にそのまま突っ込み、浮き上がるや錐揉みの横回転しながら押し出され、ひっくり返された。



ガガガガ ルーフが引きずられ火花を散らす



仲間の存在など関係無く、トラックはひっくり返った車体をそのまま押し出し、突っ込んできた。



メサイア「まじかぁ… あの暴走トラック…味方とか関係無しかよ…」



ガガガガ



転倒した1台のテクニカルを押したまま、支障なく追いかけて来る後続の車両群



バイヴス「あいつらはどうします?」



御見内「今 考え中だ」



弾倉を交換しながら御見内が後続車両群に視線を向けた その時



御見内の目にある物が映った。



車の間をすり抜ける人影



なんだ…



目を凝らすや、車間をスイスイ抜けて向かって来る人の姿が見られた



それはバイヴスの目にも映り



バイヴス「なんですあれ…?何かが来ます…」



御見内「あぁ…」



100キロ以上ものスピードが出てる中



高速で何かが向かって来る…



そいつは軽快に車両の間をすり抜けながら、車を次々追い越し



そして トラックの前に滑り出た。



ローラーブレードで地を滑り



2つの頭を有する人型



バイヴス「な…なんだあいつ…」



戦闘タイプのバスタードが御見内等の前に現れた。



人形の瞳にSUVがスキャンされる



目標車両確認 ただいま目標に接近中…



距離13メートル…



次いで車内にいる御見内等がスキャンされ



アップ画面に映された。



車両内 3名捕捉…



男性3名…



照合開始…



処理ターゲットの確率99パーセント一致…



処理ターゲットと断定…



武殺の許可を送れ…



2人の前に忽如として現れたバスタードに2人は茫然とさせた。



バイヴス「あれって…もしや例の…初めて見ます」



御見内「あぁ 人形だ…」



目の前にいるのはバスタードと呼ばれる例の人形… 



だがこのバスタード…



今までの人形と少しかってが違う…



鎧のような物を着込み…



明らかなる戦闘の格好…



こいつは偶然俺達の前に現れたのではなく…



「ジィィ…JM(ジェノサイドマシーン)005 許可する おまえの力を存分に振るえ…ジィ」



了解 これよりターゲットの武殺に入る…



腕に取り付けられた軽機関銃が向けられた。



俺達を狙って現れたのか…



メサイア「どうした…?何があった?」



すると御見内は険相で振り返り口にした。



御見内「後ろにヤバい人形が現れた」



メサイア「はぁ?」



メサイアがサイドとバックミラー越しで後ろを確認した



ザァー ザァー



地を滑りながらついてくる双頭の化け物が軽機関銃をこちらに向けるのが映った。



自動で安全装置が解除され、銃口が向けられるや



パアン パアン パァン



先に引き金をひいた御見内からの発砲



バスタードが両腕でガードの構えをとった。



そして



御見内「エンジンが壊れてもいい 全速力でかっ飛ばせ」



メサイア「クソがぁ」



アクセルがきつく踏まれSUVが急加速された。



すると



キュイイイイン ボォォォ~



小型のジェットノズルから火炎が噴射され



バスタードもスピードアップさせ、追いかけてきた。



そして再び軽機関銃が向けられ、放たれた



タタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタ



ピキ カンカンカン ピキュン



SUVに弾丸がぶち込まれ



シートに身を隠す御見内とバイヴス



メサイアも身を低くした。



御見内「ミニミだ あれを受け続けたら車が炎上する よけろ」



メサイア「馬鹿やろ どうあれを避けんだよ そっちで早く何とかしろ」



やってるよ…



シートから飛び出た御見内が再び発砲した。



パァン パァン パァン



だが… まるでスピードスケーターのような手の振りで軽やかに地を滑り、左右に移動しながら追いかけて来る人形



御見内の射撃術でさえ1発もヒットさせる事が出来なかった。



なんだあの動き…



スピードメーターはゆうに145を越えている。



後続のトラック群とは50メートルぐらい突き放したのだが…



あの ばけ人形野郎…



奴はこのスピードにしっかりついてきてる…



サイドミラーに映るバスタードを目にし、メサイアは青ざめた。



メサイア「あいつ 何でこの速さについてこれんだよ?」



キュイイイイ タタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタタ



カンカンカン ピシィ ピィン



再びシートに隠れた御見内とバイヴス



御見内「ブレードだ ローラーブレードを履いてんだよ」



カンカンカン ピシュ



メサイア「あぁ?何?ローラーブレードってなんだ ローラースケートの事か?」



タタタタタタタタタタタタタタタ



御見内「そうだ それにジェットみたいなのがついてて、そいつで加速してついて来てる それよりもっと飛ばせ 全然距離が開いてねぇぞ」



メサイア「これ以上は無理に決まってんだろ タコが振り切れそうだ このままじゃオーバーヒートしちまうよ つ~かその持ってるハジキは水鉄砲じゃねえだろが ものほんのハジキだろ それでさっさと化け物をやれよ」



御見内「だから さっきからやってるよ」



御見内とバイヴスが再度シートから起き上がり発砲した。



パアン パァン パァンパンパン



的を絞らせず、左右に素早く移動するバスタード



高速移動する車内からの発砲はどれも空を切り



弾を無駄に消費していた。



バイヴス「やっぱ当たりません ハサウェイさんにでも当てられないのに自分には絶対無理です」



ガチガチ



弾切れを起こした御見内がシートに隠れ弾倉を変える 



御見内「いいから今は撃ち続けるしかない…」



その時だ



パァン パァン



ひたすら撃ち続けるバイヴスに軽機関銃が向けられ



バイヴスの目に銃口が映る



その瞬間



タタタタタタタタタタ



弾倉を装填完了した御見内の目前でいきなりバイヴスの身体が後ろに飛ばされ



シートに大量の血が飛び散った



また御見内の頬にも鮮血が飛び散ってきた。



崩れ落ちる身体



御見内の瞳に…



目を開けたまま 額を撃ち抜かれ即死するバイヴスが映された。



御見内「か…解体人~」

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