第64話 兵士

3人は階段を駆け上がった。



そこら中を飛び回り、まとわりつく蠅を気にもせず地下2階を通過、更に階段を登って行く



石段を徘徊するネズミを踏み潰しそうになりながらも駆け上がり



そして地下1階の連結通路に差し掛かった時 1人の黒フード、2人の解体人なる敵が眼前に現れた。



鉞(まさかり)鉄熊手、ハンティングナイフを手にし、こちらに気づくや指差し、向かって来る奴等の姿体



メサイア「くそっ 撃つぞ」



メサイアがハンドガンを構え、狙いを定めるや



御見内「ちょっとどいてろ」



御見内が前へと出た。



そして御見内は肩に掛けたある物を手にし、ハンドガンからそれを武器換装



また筒からある物を数本抜き取り、その内の1本を素早く装填させた。



メサイア、バイヴスの前で半身な姿勢で構えられた武器



御見内が手にしたのは…



和弓だ



弓道時代を思い出す…



アーチェリー用の弓とは違う…作りももっと原始的で懐かしきこの感触…



御見内「下がってろ」



御見内は向かって来る敵に狙い澄まし、力強く弦を引いた。



指に予備矢を2本挟んだまま



そして摘まんだ指を離し、その第1矢を解き放った。



シュ



高速で飛翔した弓矢は黒フードの目を射抜き、右目に突き刺された。



「ぐわぁぁ」



黒フードはスリップで転倒し、床をのたうち回る



御見内は予備矢の1本を口に咥え、指に摘まんだ予備矢を素早く装填するやすかさず第2矢を早打ちした。



シュ



グサッ



今度は解体人の喉が射抜かれ、鉄熊手を落とすと同時にこちらもスリップで転倒、床を転げた。



それから口に咥える第3矢を弓にセット



御見内は間も空けず、そいつを放射した。



シュ  グサッ



額に突き刺さった解体人の頭が急角度で仰け反り、即 斃死(へいし)



ピクリとも動かなくなった。



須臾(すゆ)なる出来事



3人をあっという間に無力化した御見内に…



弓を使用した御見内にメサイアは驚きの表情を見せた。



素人とは思えぬ手慣れた格闘術、銃も上手に扱い



次いで弓の扱いさえも上手くこなす…



こいつはマジでなんなんだ…と…



御見内「よし まだまだ腕は鈍ってないな やっぱこれが一番だ」



メサイア「そろそろ正体を明かせよ お前やっぱ自衛隊か警察あがりだろ?」



御見内「違うよ だから俺はただの一般人だって…」



メサイア「嘘をつくな そんな奴が…」



タッタッタッタ



近づいて来る足音が聞こえてきた。



御見内「行こう」



3人は急いで階段を駆け上がった。



ーーーーーーーーーーーーーーーー



御見内を先頭に地下道から出てきた3人



飛び出すと同時に3人の視界には…



第2沈殿池の通路は奴隷達で溢れ返っていた。



3~40人は下らない人数



メサイア「これは流石に無理だ…こんな大人数相手に突破なんか出来ないぞ」



メサイアの言う通り…



武器片手にフルチンでそこら中徘徊する奴隷達を目にし



突破は難しいと判断した御見内



下からは迫り来る足音



メサイア「おい どうするよ?」



御見内「解体人 ここの他に出口はないのか?」



バイヴス「え~と こっちです 着いて来て下さい」



バイヴスの案内のもと、違うルートを選択した3人は走りだした。



左手には消毒プラント(施設)



大きな塩素混入のプールが見え



塩素混入機からはチョロチョロと塩素が垂れ流れている。



3人がそれを横目に通路を直進するや



「※!@/☆§♯÷≫∞∮」



「&¶★◐♭〓♩≅≒」



背後からよく聞き取れぬ叫び声が複数あがった。



3人が走りながら振り向くと、地下から上がって来た奴隷等がこっちを見ながら叫び声をあげ、辺りを徘徊する奴隷達に掛け声してる様子が映っている。



当然奴隷達の視線は皆、こちらに向けられていた。



御見内「気付かれたぞ」



メサイア「ファック おい 出口って何処だよ?」



バイヴス「もうちょっと先です」



「√∑♀∝∽⊕⊄≈<×±」



すると奴隷達が一斉に走り出し、こっちに向かって来た。



メサイア「わぁああ~ 来やがったぁぁぁ~」



押し寄せる奴隷達の群れを目にした3人は走るスピードを上げた。



そして先導するバイヴスが消毒プラントを越えた辺りで1つの扉へと近づいて行く



バイヴス「あれです あのドアです」



扉には非常扉の文字



バイヴスがドアノブを捻り、3人は素早く中へと入った。



ーーーーーーーーーーーーーーーー



研究室 第4ラボ



「分かった… 丁度いい 今 一体動かしたいプロトタイプがある こいつのデータを取りたかった所だよ…あぁ…ああ…使うならこいつを使用しろ…」



白衣姿の初老の男が内線電話で何やらやり取りしていた。



そして受話器を仕舞うや



強化ガラス越しに映るある物へと視線を向けた。



そのガラスの先には…



2つの頭部に左右3本の腕



眠る様に仁王立つ継ぎ接ぎでくっつけられた人形がいた。



その人形の体には伸びたコードからプラグが体内に差し込まれ、頭には脳波計らしき物が接着



腕や脚にはプロテクターらしき物、胴体には甲冑の様なアーマードスーツが着衣されていた。



初老の男が再び内線電話を手に取り、口にする。



教授「バスタードレベルD プロトタイプJM005をただちに起こせ 運転だ」



すると プラグや脳波計が自動的に外れ、抜かれたプラグからプシューと蒸気らしき煙りが飛び出す。



そして人形の4つの目が開かれた。



「ドミネター回路、制御装置 どちらも正常 言語認識能力 視覚判断値及び全て正常値です 安定域 これよりデータベースとリンク開始」



「カメラの鮮明度も音量も全て正常」



「よし そこの軽機関銃を装着させろ」



「了解しました 005 機関銃を腕に装着しろ」



アナウンスの指示で一歩を踏み出した人形



少し改造された自衛隊用のMINIMI軽機関銃を手にし



ガチャン



己でそれを腕へと装着させた。



また… これまた特注なのか?大きなボックス型マガジンを…



ガチャン



自分で背中部に接着させ、伸びたベルトリンクを軽機関銃へと繋いだ



どう見てもソルジャーな出で立ち



騒がず、喚かず



無なまなこで数歩歩み出した人形



本格的戦闘タイプの人形が始動



これより御見内等を襲う

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