第43話 天使も風邪をひくのです
ランチに戻ると、いつも通りデイモンが出迎えてくれ、一緒に食卓につく。
「エンマ!今日はエンマの大好きなえびグラタンですよ。」
よかったですね!とデイモンが話しかけてくる。
「うん。」
えびグラタンは大好きです。
唄子ちゃんのえびグラタンは真ん中に半熟卵が隠れててチーズたっぷりで美味しいのです。チーズはモッツアレラとゴーダとチェダーとパルメザンの4種類使っているそうです。
でも変ですね、エンマはお腹空いていません。
ダモとお話しするのも億劫です・・・。
ひょい。
ひょい?
あれ、唄子ちゃんに抱っこされています。
「どれどれ。」
唄子さんがエマと額をくっつける。
「まだ大したことないけど、これから熱が上がってきそうだね。暖かくして休もうね。」
唄子さんがエマを抱いて食堂を出てゆく。
「デイモン君も陛下もさっさと食べちゃっておくれ、片付かないからね!」
すかさず後を追おうとしたフェンリルたちを牽制する。
出鼻を挫かれたフェンリルたちが人型に戻り昼食を食べていると、水枕や吸い飲みなどが空中を飛んでゆく。
唄子さんの生活魔法で召喚された看病グッズだ。
「パレスさん、出てきておくれ。」
「はあい、呼んだかしら?」
宮殿の精、パレスが唄子の呼びかけに応えて現れる。
「あら、エマちゃんは病気?」
「風邪のひき始めだと思うよ、これからサマンサさんを呼んでくるからエマちゃんをみててくれないかい?」
「それならジンニーに呼んできてもらうわ、ジンニー!」
ドロン!と呼びかけに応えたジンニーが魔女の館のサマンサを呼びに行く。
「エマちゃんには私がついているから、唄子さんはエマちゃんにおじやでも作ってあげて。」
「ありがとう、そうさせてもらうよ。」
唄子に頼まれてエマの部屋の温度と湿度を病人向けに設定して少しするとサマンサとフギンとムニンが現れた。
「風邪のひき始めで間違いなさそうね、熱が上がるようだったら知らせてちょうだい、朝のうちに気づけなくてごめんなさい。」
「儂らもきづかなんだ・・・。」
「すまなかった・・・。」
フギンとムニンが小さくしぼんだようにみえる。
飲み薬を置いてサマンサが魔女の館に戻っていった。
フギンとムニンは残りたそうだったがサマンサに回収された。
「エンマ・・・。」
ぺったりと耳を倒し、尻尾も元気のないフェンリル型デイモンが枕元に座る。
「エンマがえびグラタンを残すだなんて・・・きっと大変な病気の前兆に違いありません。」
じわあ・・・・フェンリルの目に涙があふれる。
翌朝、エマは元気に目覚めた。
「おはようございます!エンマ、昨日のえびグラタン食べたいです!」
はいはいと唄子さんが状態保存の魔法を掛けていたエマのえびグラタンを運ぶ。
「美味しいです!」
もりもりとえびグラタンを平らげるエマを、目を見開いて唖然顔のフェンリルが見ていた。
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