俺とミーナの真意

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 俺とアリシアとミーナさんの三人で、街の中心にある教会へと馬車で向うことにした。


 それはもちろん、この国で暮らしたいと願う移民を視察して、どうするかを決めるためだ。


 三人で乗り込んだ馬車は居心地が悪かった。


 なぜなら、意見の食い違う二人は口数が極端に少なかったからだ。


 それは仕方ないことだとも思うけれど、俺はそんな中で口を開く。


「俺の話を聞いてくれるか?」


 俺はさっそくだけれど、タルサの提案した多数決について話すことにした。


 俺達三人で多数決を行い、移民を受け入れるかどうかを決定する。


 俺はそれを隠したままでいるのが悪いと思い伝えたのだが、


「……わかりました」


 俺の言葉を聞いたミーナさんは、先ほどよりもさらに意気消沈してしまった。


「ちょっと待ちなさいよ!」


 そして、意外なことにアリシアが不機嫌になった。


 しかし、その気持ちも分かる気がする。


 なぜなら、俺は移民の受け入れや奴隷の買い付けには賛成の人間だ。


 タルサの話はよく聞いていたつもりだし、アリシアも悠久の魔女の代わりに人選を行うのだから、かなり慎重になっていることは理解できる。


 一票の重さも分かっているつもりだが、俺は多くの人が幸せになれるのであれば――多少の損は仕方ないとすら思っている甘々野郎だ。


 つまり、この多数決での決定とは、圧倒的にアリシアが有利。


 だから、異を唱えるならミーナさん側の気もするが、アリシアは怒りに震える。


「そんな方法じゃ、本当に正しいかどうかわかんないでしょーがっ!」


 アリシアは唇を尖らせて続ける。


「私はこの国を本気で豊かにしたいのよ! そもそも、私は私の考えが絶対に正しいなんて考えてないし、もっと真剣に話し合いたいの!! いい? 私が集めた移民の人たちは、この国に入りたいと真剣に考えている人たちで――あの人たちには、この国が必要なの! 私は真剣にこの国を想って、この国のためになる人を受け入れようと思ってるけれど、私が情に流されることがあるのも間違いないわ。そんな私とアンタがここにいるんじゃ、その多数決は何の意味もないじゃないの!? ミーナも何か言いなさいよ!?」


 ミーナさんはそこまで言われても、うつむくだけだった。


 アリシアのツバが飛んでいるし、狭い車内で顔を近づけてほしくないが――ミーナさんの思い詰める表情は、それだけが理由には思えない。


「……なら、どうしろっていうんだよ?」

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