野に放たれる。<免許取得>
私は、隣町の教習所に行っていた。問い合わせにていねいに対応してくれて、某ポイントカードにポイントも付くってことでそうした。
これがよかったのか悪かったのか、なにしろ隣町は田舎だったので、路上と言っても滅多に人が歩いてないし、国道以外では周りにほかの車が走ってないシチュエーションが多かった。
今思えば、それは教習としてはものすごく簡単で、横断歩道で歩行者の切れ目を待ったり、右折で対向の直進車の合い間を狙ったり、車線変更でタイミングを計ったり(ほとんど1車線だし)といった面倒なことがほぼない、ということだった。いつもスイスイスイだ。
唯一、教習中の”障害”と言えば、「チャリのじいちゃん」くらいだった。時々見かけるじいちゃんなのだけど、いつもふらっふらの状態でチャリをこいで車の方に迫って来たりするので、絶対に路上検定では会いたくないよね、と、生徒たちの間で話題になっていた。
てか、そんなたった一人の人が目立って話題になるくらい、ほかに人がいなかったのだ。
だけど、これが自分の地元のもっと大きな街での実際の運転になると、そうはいかない。人もいるしほかの車もふつうにいる。教習でそういうのをほとんど実地に練習できてなかったのだから、まったく慣れておらず、最初はものすごく怖かった。
そう、申し遅れましたが、おかげさまで本免の路上検定(しかも、クリスマスの日!)は一発で合格し、学科も年明けにスンナリ通り、ついに免許皆伝、否、免許取得と相成りました。
その夜、M夫くんがお祝いしようと言って、夜、回るお寿司に車で連れて行ってくれた。ふつうは回らないトコに行くだろうと思うけど、初めて行ったそこは、間違いなくレーンが回っていた。
さておき、私としては、そんなに運転得意じゃないし、危ないし…ってことで、免許取るには取ったけどすぐに乗らなくてもいいよね〜冬だし、雪積もってるし、道路滑るし。などと思いながら、しばらく運転の大変さから離れてゆっくり休もう(?)と企んでいたのだけど、お寿司を食べ終わって車に戻ると、M夫くんは「じゃあ、はい、運転して」と言った。
ひぇ〜〜っっ!?
なんで、そんないきなりぃ!?
いや、学校行ってずっとやっていたんだから、いきなりじゃないし。こういうのは時間置かない方がいいから。というのが、M夫くんの考えだった。
いやー、こんな交通量の多い大きな道路、危ないからー。
車線変更、きゃー後ろに車がいてできない〜。
右折専用レーン…って、えっ何ソレ!?
車庫入れ、きゃー。
いきなりのスパルタ方式、プールだったら有無を言わさずまず水に放り込むってヤツで、想定外の初運転。M夫くんは教習所よりキビしく怖かったのであった。。。
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