なぜか、長期間咲く不思議な桜があった。その桜は島から持ち出されることを頑なに拒み、不吉とまで噂され避けられ、いつしか忘れ去られた。ある日、彼女は祖父の書き付けを見つけ、その桜の伝承を知る。そして、見届ける。時と記憶に埋もれてしまった美しい思い出をそっと引っ張り出したような物語。