中国古代の王朝~「黄河文明」~

私が学生の時に習ったのが「黄河文明」であった。「四大文明」の中の一つで、象形文字を使っていた事を覚えている。今は「大河の側に文明あり」と知っているので「長江」にも文明があっても驚く事はないが、「黄河」の名前の響きは頭に残っている。

その「黄河」であるが、前にも書いたようにかなりの暴れ川であった。名の如く「黄色い」川は「黄土」が上流から混じるためで、流量に対して砂が多く、下流になれば成る程川底に砂がたまっていく構造となる。下流には人間の生活圏があり、河があることでもたらされる恵みもあるが、何かの拍子に水量が増えると害は甚だしいものとなる。黄河を制するものは大陸を制する時代だったのだ。

「夏」の前の「五帝」の時代は「禅譲」により為政者が替わっている。禅譲は「徳」のある人へとおこなうとあるが、「徳」のある人とは『治水の実績がずば抜けていて、カリスマ性が高く、人民に施しを行い、他者に慈しみを持てる人』だとすると、実力主義による政権交代ともとれる。この頃は、実力者をリーダーにしなければいけないほど、生活環境が厳しかったのではなかろうか。

「夏」の国の建立は、「黄河文明」最晩期にあたる。この頃になれば、黄河の制御がある程度可能になったのかも知れない。史書によれば、時代は安定期に入っていくこととなる。


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