竹書紀年~「竹書紀年」とは~

「竹書紀年」は、散逸してもどこからかまた現れる、ある意味奇跡の書というべき史書である。それだけ複製が作られたとみるべきか、歴史を司る何かが見つけさせるのか…。

竹書紀年の由来は、三国志後の統一王朝「晋」が、魏の襄王の墓を暴いた際に(盗掘ともいう)、副葬品と共に大量の「竹簡」を発見し、その竹簡を整理したところ、一つの歴史書の存在が浮かび上がったため、「竹」に「書」かれた「紀年」と名付けたのだという。

成立年代はおそらく戦国時代、作者は不明である。魏の王の墓から出土した事と、魏は中原の覇者を自称していたことを考えると、魏の関係者の可能性が高そうである。

古来、史書は大陸の支配者が書き遺し、編纂するものであった。この竹書紀年は魏の襄王(じょうおう)までの記述であり、魏の文侯(襄王の曾祖父)と武侯(襄王の祖父)の時代には、大陸の支配者たる周王朝の権威は大いに失墜していた。それに替わったこの二人は大変な実力者であり、大陸の支配者然としていた事があったので、その時から作られた物かもしれない。その後魏は、襄王の父恵王の代に急に傾くこととなる。

竹書紀年は、前にも紹介した史記の年代の乱れを訂正できる史書の一つである。逆にいえば、これがあったから史記の誤りを証明できたのだ。司馬遷も間違いが訂正された事に、泉下で安堵したに違いない。

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