或る住宅街の一家庭で起こる不可解な出来事。最近亡くなった祖母の声が、夜毎家人の口を借りて語り掛けて来る。一体祖母は何を伝えようとしているのか。ジワジワと迫る緊張感の下、語り手の”僕”を通して徐々に明らかになって行く状況。どうなる事かと思いきや、最後になって読み手が無意識に抱いていた前提を全てひっくり返される。サッと書かれた様な短い作品ですが、その印象は鮮烈です。気持ちよく騙されてみたいと云う人は、是非読んでみると良いですよ。