単に心理描写や心情描写が上手い、という一言では片付けられないです。
それくらい、「人間の心」の描写力に圧倒されました。
ある一人の女性を、様々な人の視点から見た物語です。
この小説の見所は、なんといっても人間同士の掛け合いのリアルさでしょう。
人と人の心がぶつかり合う様が、大変現実味があって生々しく、
どろりとしています。
全く浅くもないし薄っぺらくもない。とても重々しいです。
恐ろしさすら覚えてしまう。
なのにどうしたことか、目が離せません。
どうなるのだろうかと、目を逸らすことが出来なくなってしまいました。
むしろ癖になるような気がします。
彼女は一体、何者なのでしょうか。
彼女の正体。彼女の心とは。
読後、想像力をかき立てずにはいられなくなる小説でした。