第151話 賢者の石

「うん。錬金術師達の次の目標は人間を造り出す事に変わったと聴いていたけど……」

「人間を造り出すって……」

「闇が深いよね」


紫音は腐敗する体の中にあった鉄に気がつく。


(あれは……一体?)


しかし、その鉄はとても小さい。

廉に知らせるか紫音は悩む。

紫音の考えている中、鉄は大きさを増す。

これにより紫音が知らせる必要が無くなってしまった。


「何だこれ?」


ーーーーーーーーーー


鉄の大きさが増す中、屋上に居る二人はその光景を眺める。


機械仕掛けの神デウス・エクス・マキナの暴走か……そもそも、摘出した神異能力を他の者に入れるなんて無理だったか……なぁ?デューラク」

「……数名の人間と神異能力を維持するのは賢者の石一個では足りない様だ」

「そう言えば、猫には能力を入れられたよな?」

「出来たが……脳に多大なダメージを受け、死んだよ」

「動物が無理なのに人間でやるのは無理があるだろう」

「それでも、世界各地でこの研究は現在も続けられている」

「……錬金術師の考えは分からねぇ」

「普通の人間と変わらないさ……出来る事があるからこそ、やるんだ」


ーーーーーーーーーー


デューラクの錬金術によって押し込められていた機械仕掛けの神デウス・エクス・マキナは暴走を始める。

様々な人間の体によって押さえられていたが、肉体が腐敗して、押さえられずに暴走を続ける。


「……あれ?……紫音、俺達が戦っていたのは……何だったけ?」

「……確か……人間の……筈だよ、廉」


廉と紫音は巨大化した鉄を目の前にして戸惑う。

二人には処理出来ない事が連続して起きている。そんな状況で目の前に居る鉄の塊の対処に頭を抱える。

鉄の塊は二人が見上げても一番上が確認できない程、大きい。

鉄の塊は常に形を変え、同じ形になる事は無い。


「とりあえず、攻撃してみるか」


廉は炎神の魔剣レヴァンティン・ソードを強く握る。

炎神の魔剣レヴァンティン・ソードは激しく燃え、刀身は真っ赤になっていく。廉は激しく燃える炎神の魔剣レヴァンティン・ソードを鉄の塊に目掛け振るう。

炎を纏った衝撃波は鉄の塊に直撃した。

廉の一撃を受けた鉄の塊は斜めに切り裂かれる。

切断された部分は真っ赤になり、溶けていく。


ーーーーーーーーーー


屋上に居る二人は機械仕掛けの神デウス・エクス・マキナが斜めに切り裂かれる光景をただ静かに見守る。


「神異能力である機械仕掛けの神デウス・エクス・マキナを簡単に斬れるところを見るとあの剣も神柄見か?」

「あの剣はレヴァンティンだ」


城山の問いに静かに答えるデューラク。


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