第147話 紅桜

舞が振るう紅桜をドレアは伸びた袖で受け止める。

舞は紅桜に回転をかけ、ドレアに向かって投げつける。

紅桜は回転しながらドレアに向かい飛んでいく。

ドレアは回転しながら飛んでくる紅桜を簡単に避ける。

舞は回転する紅桜をしっかりと握る。

この動きにはドレアも対応出来なかった。

ブラックコートに魔力を与えていなかった為、伸ばす事が出来ない。そんな状況でドレアが出来る事は一つだけだ。

ドレアは魔法陣を展開させる。

舞が振るう紅桜はドレアが展開した魔法陣に触れる。その瞬間に魔法陣は真っ二つに切断される。

ドレアは紅桜の剣を紙一重でかわす。


「少し……本気で行こうかしら」


ドレアは言葉の通りに行動する。

ブラックコートに魔力を与え、袖以外にも裾を伸ばし枝分かれさせる。

右と左の袖を剣に伸ばし、裾を10本の剣に枝分かれさせる。

袖と裾を合わせて12の剣を造り上げる。

舞の紅桜は一本、勝ち目があるとは思えないが舞はドレアの元に駆け寄る。

勝ち目があるか、ないか、では無い。

目の前にドレアが居る限り、意識の無い舞は戦い続ける。

舞は紅桜を右手に左手に持ち替えながらドレアの攻撃に対応していく。

しかし、紅桜一本ではドレアが造り出した十二本の剣状の衣服は対応が出来なくなってくる。

衣服で造られた剣に紅桜は挟まれた瞬間に剣は衣服に戻る。

舞は紅桜を動かすがブラックコートに取り組まれ動かせない。

ドレアは舞を自身の元に引き寄せる。


「これで終わりよ」


ドレアは両袖を剣状からただの袖に戻す。

ドレアは舞の腹に三度目の拳を当てる。

舞は吹き飛ばされる。

ドレアが着ているブラックコートに紅桜を残して……


「この剣はどうしましょう?」


ドレアは紅桜を手にしてそう呟く。

ドレアは倒れ込む舞を見て、寂しげな表情をすると無造作に紅桜を投げつける。

ドレアは男を殺しても、女は殺さない。

遠くに吹き飛ばした翔はともかく、この場に居る舞は殺さない。

賢者の石、魔武器、魔装を手にしたドレアにここに留まる理由は無い。

ドレアは転移魔法で移動する。

東京本部に戻る為に……

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