第135話 怯えるケルベロス

加藤家でドレアと彩乃達が戦闘をしている中チーム[チャレンジャー]は動き出す。


「翔、どうだ?」


服部総助に問いに神田翔は無言で首を横に振った。

翔は賢者の石があった場所を見つめて考え込む。

賢者の石はドレアが全て奪い去った為ある筈も無い。


「翔、家には誰も居ないよ」

「ありがとう竜」


家の中に誰か居るか確認を頼んでいた翔は麻倉竜一から結果の報告を受ける。

翔は次の行動を考え込む。


「北海道だけではなく、他もヤバい事になっているな」


総助はスマホを見ながら告げる。


「何かあったのか?」


総助のその言葉に竜一は尋ねる。


「全国にある地下施設が襲われたらしい」

「このタイミングで」


総助からの答えに竜一の表情は強ばる。

そんな二人の会話を無言で翔は聞き続ける。

翔の右肩に乗っかる雷を帯びたケルベロスー三頭の雷獣サンダー・ケルベロスは酷く怯えている。

ケルベロスは翔の雷属性の魔法と翔の能力魂の操作ソウル・オペレーターと賢者の石を錬金術で錬成によって造られた存在だ。

ケルベロスは翔の魂の操作ソウル・オペレーターの半分以上を保有している為、魂の感知は翔よりも出来る。

そんな感知を備えたケルベロスが怯える程の魂の持ち主が近くに居る事を理解した翔は自身の家から離れる事を決める。


「総助、竜ここに居ても何もすることは無い。移動しよう」

「急にどうした?」


無言を貫いていた翔の突然の言葉に総助は戸惑う。

竜一も同じなのか翔の答えを待っている。


「ベロスの様子が可笑しい」


翔のその言葉に総助と竜一はケルベロスに目を向ける。

話す事が出来ずとも意思疎通は普通の動物と変わらずに出来るケルベロスはブルブルと震えている。


「ドレア・ドレスか?」


総助は一番当てはまる人物の名を告げる。

しかし、翔の考えは違っていた。

賢者の石の無い神田家にはドレアが来る程の価値は無くなってしまった。

神田家は賢者の石を日本で唯一管理する家としての魅力はあったがそれが無くなった時点で神田家の魅力は無くなったと言える。

そんな家に来る人物は、まだ賢者の石があると思っている人物とこの家に帰って来る人物だけだ。

翔には誰が近づいているのか全く分からない。


「分からない」


翔はそう言うと再び考え込む。


「どのみち移動は必要だ。早めに行こう」


竜一はケルベロスと翔の様子から早めの移動を提案する。


「どうする転移魔法で移動するか?」

「歩いて行こう」


総助は手っ取り早い方法の移動を提案するが、翔は最も遅い方法を選択する。




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