第38話妖魔剣創造(ゴースト・バース)

このままじゃあ舞が何とかしないと……




「分からないのか?俺の氷を破るにはせめて名の知れた名剣を使わないとな」


「これで十分」




舞は持っていた無名の剣を石原碧人に向ける。


しかし、その言葉は余りにも心持たないの一言だった。


舞の言っている事は無理がある。


今持っている剣は今すぐにでも石原碧人の氷によって無力化にされてしまう。


悔しいが石原碧人の言う通りだ。その為には舞が妖魔剣創造(ゴースト・バース)を完全に扱わないと駄目だ。


今の舞に使えるのか?


舞は妖魔剣創造(ゴースト・バース)を使い、もう一本の剣を造る。


舞は双剣を握るが……この状況を覆すのは難しそうだ。




「本数が増えようが俺には勝てないんだよ」




石原碧人は叫ぶと舞が握っていた双剣は氷付けされ、地面に固定されている。




「私は負けない、守られる存在じゃあ無い」




舞……もしかして、気にしていたのか?


ずっと俺に……嫌、玲奈さんに守り続けられている事を、気にしていたのか?


舞は妖魔剣創造(ゴースト・バース)を使用し、二本の剣を作り出す。


さっきまでと違って炎剣だ。


だが、ただ燃えているだけと言える程雑な剣だ。


炎は弱く、辺りにある氷のせいかとても弱く見えてしょうがない。




「おいおい、ふざけてんのか?」


「私は真面目」


「……」




石原碧人の無言が続く。


舞の履いている革靴全体は石原碧人の氷で固定される。


地面としっかりと固定されている様だ。


舞は足を何度も上げる動作をするが、動かない。


革靴だけなら、靴を脱いで脱出、出来ただろう。


足に続いて、舞の持つ二本の炎剣を凍らされた。


最悪な事に舞の下半身と両手までも凍らされた。




「舞」




俺は思わず叫んでしまった。




「廉、大丈夫だよ」


「大丈夫な訳あるか……お前氷付けになってるだろうが」


「今度は私の番だから……昨日廉は私を守ってくれた」




舞は昨日の事はなんとなく理解している。


今日、俺が新入生代表になって、檜山仁が東京本部から居なくなった。これだけで舞は理解したのか?もしかしたら昨日檜山仁が後ろから付いてきていた事を知っていたのか?


舞には心配をかけすぎた。


俺の出来る事は余りにも少ない。




「舞、お前は俺なんかよりも凄い奴だって事は昔から俺は分かってる。だから見せてくれよ。今度は玲奈さんじゃあなくて俺が止めてみせるから遠慮なんかするな。後悔させてやれ、舞……お前を敵に回したことを」


「いいの?」


「あぁ、遠慮は要らねぇ……お前の全力を見せてくれ」




情けない。


こんな事しか出来ないなんて……


今の俺には舞を応援しか出来ない。




「妖魔剣創造(ゴースト・バース)」




舞のその一言でその剣は現れた。


現れた剣は舞の足元に突き刺さる。




「馬鹿なぁ」




石原碧人は驚きの声を上げる。


舞の下半身にあった氷は全て溶けていく。


どうやら、本気になりやがった。




「何故俺の氷が……」


「もう貴方は私に勝てない」


「何?」




舞は氷を溶かした足元にある剣を握り、石原碧人に向ける。




「私が創造した剣は全ての氷を溶かす剣」


「……そんな剣聞いた事も……」




石原碧人は驚きを隠せず、動揺している。




「私の妖魔剣創造(ゴースト・バース)はこの世に無くたって私なら造れる……この剣がある限り私は貴方に負けない」




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