ヤマメのオーブ
王は数日朝に私のもとに来なかった。そもそも来るのがおかしいのだが。王が屋敷にいない日はガロウに料理を教えていた。黙々と取り組まれるので全てスムーズに言った。
「ガロウ君の上に網敷いて焼き肉とかできたらなー」
ヤマメがそうぼやいた
「いやダメでしょう」
「ダメだろ」
「ダメなのかー」
ガロウがヤマメを膝枕にしているときにそんな会話をした。すぐにヤマメは棚から急須を誘き寄せて水をいれたり葉を入れ、ガロウの髪で熱していた。
これまでに比べ暇なこの休みの期間、アライザ図書館には行けず、ヤマメがそれを察して自信の持っている本を数冊貸してくれた。
「全部元素魔法のものだけど。ああ、多分コロも魔法はコツ掴めば出来るようになるよ。」
「それで思い出しましたけど、ヤマメは何処をオーブにしているんですか。」
「まあ、全身を少しずつ。フヨウの変身見ただろ?それを応用して残った肉体だけでまた体を再構成させてる。つまりこの身長は僕が意図的になったものなんだよね」
ヤマメは少し視線をずらしながら答えた。
無理矢理口を横に伸ばして笑顔を作り出そうとしているが、気味の悪い顔になるだけだった。伸ばした口の端が笑窪を通り越し頬に渡ろうとしたとき、
「もっと食べれば昔ぐらいの身長になるさ。今は英世の状況が悪いだけ。もうすぐマモリだって帰ってくるんだ。コロさんに教えてもらった料理沢山食べさせてやるから。な、だからその口どうにかしてくれ」
ガロウが急須越しに言った。
「そう、だね。食べれば大きくなるよね」
口の端が自然に戻り、いつもの無邪気に見える笑顔に変わった。
ああは、言ったものの本当はオーブになった部分は別のところにあるんじゃないのだろうかと私は思った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます