しんじつ
[佐藤悠基&石川実里&清水柊&伊藤薫子]
「悠は!!あたしのもの!ってこと!!!」
『???』
「だ、だからっ!家来とか、下僕とか、そんな感じってこと!」
『え……?』
「ゆ、悠と!昔……さ?あったじゃん!あたしの下僕になれーって言ったら、いいよーって!ね!悠!」
「……へ?」
「ね??」
「え?」
「ね?」
「あ、あぁ……」
「と、まぁそんな感じで、あたしのものってわけね!」
「な、なるほど……?」
「なるほど、です……?」
「な、なによ?文句あるの?」
『ないです……』
「……なんでこんなことに」
[伊藤薫子]
うまく……誤魔化せたよね?
はぁぁ……
違う。
あたしはあの時のことを言うつもりだった。
今ならまだ引き返せる。
なのに……
言葉がつっかえて出てこない。
あたしは、それほど……
適当な嘘をついて、強がるしかできなかった。
[佐藤悠基]
てっきりあの時のことを喋るのかと思ってびっくりした。
いや、喋るつもりだったのだろう、あの喧嘩みたいになった受け答えはあの時のことを示していたと確信できる。
ならなぜ?
なぜ、はぐらかしたのだろうか。
知られるのが恥ずかしい?
薫子はそんなタイプじゃない。
なら、喋らなかった数年で性格が変わった?
親睦会で変わってないことは既に知っている。
ならなぜ?
僕は真面目に考える必要があるかもしれない。
薫子の、告白に対して。
[石川実里]
あの時のことを、話してくれるのだと思っていた。
でも、はぐらかして、秘密にした。
隠すんだね……
確かに、さっきのは勢いだったから、知り合って間もない人に話す内容ではないかもしれない。
でも、話してくれていたら。
私たちに対する、宣戦布告。
実際は話してくれなかったから……
それは、秘密の関係。
あの時、見てしまった私はずるい。
だから……
いつか、薫子ちゃんと2人で話さなければいけない。
それが、私からの、宣戦布告。
[清水柊]
家来……下僕……あたしの、もの……
しばらく感じていなかった胸の苦しみを、今、感じていた。
先輩が、誰かのものになる。
独り占め、される。
それが、嫌だった。
言葉にできないこの気持ち。
この気持ちは、なんなの……
[佐藤悠基&石川実里&清水柊&伊藤薫子]
『………………』
「ちょ、ちょっとみんな!そんなしんみりしてないで次行くよ!次!」
「あ、ああ」
「そ、そうだね」
「は、はい……」
「じゃーあ!次の王様だーれだ!」
「あ、僕だ」
「命令どうぞ!」
「えーっと、1番の人の好きな食べ物を教えて?」
「あたし1番じゃなーい」
「私でもない、です……」
「あ、私だ。好きな食べ物はねー、んー、豆腐、かな」
「豆腐?」
「そう、豆腐!大根おろしと醤油かけて食べるの美味しいよね!」
「実里さんって和食が好きなの?」
「うん!素朴な味とか、好きなタイプかなー」
「あ~わかるかも、実里が細い理由ってそれなのね~」
「ほ、細くないよ……そんなこと言うなら柊ちゃんの方が細いよ?」
「わ、私は、ちっこいだけ、ですよ……か、薫子さんこそ……細いのに、筋肉質なのが、羨ましいです……」
「あたしはランニングとかしてるからねー、体動かすの好きなんだー」
「私と柊ちゃんはインドア派だからしょうがないね……」
「そうですね……」
(体の話になると居づらないなこの空間……)
「んじゃー次、いってみよー」
「あ、私が王様だ!」
「命令どうぞー」
「命令はねー、2番と3番で握手、してください!」
「あ、2番は僕だ……」
「3番……私、です……」
「じゃあ……」
「は、はい……」
[佐藤悠基]
手、小さ!
それにすごい細いし、軽く力を入れただけで折れちゃいそう。
でも、少し温かくて……って、女の子と手を繋ぐの初めてじゃないか!?
意識するな意識するな意識するな意識するなぁぁ
手汗とか、大丈夫かな?
というかいつまで握ってればいいのかな?
やばい!わかんない!!
[清水柊]
先輩の手……
大きくて、温かくて……
これが男の人の、手……
心臓がドキドキして、暑くなってきた……
いつまでこうしてればいいのかな……
叶うならば、ずっと……
[佐藤悠基&石川実里&清水柊&伊藤薫子]
「ちょっと、いつまで繋いでんのよ」
「あ、あぁ!ごめん!」
「い、いえいえ!私、こそ……」
「二人とも顔、赤くなってるけど?」
「ち、ちが!これは、緊張で!」
「男の、人と……手を、繋ぐのが、初めて、で……」
「大丈夫柊ちゃん?悠になにかされなかった?」
「僕は手を繋いだだけだ!」
「大丈夫、です……」
「何かあったら言ってね?」
「何も!しない!」
[石川実里]
いいなぁ柊ちゃん……
王様の私と手を繋ぎなさい!でも良かったんだけど、勇気が、出なくて……
そんなこと、言ってる場合じゃないのに……
しっかり、向き合って、大事にしなきゃ。
[佐藤悠基&石川実里&清水柊&伊藤薫子]
「そろそろ、プレゼント交換しようか」
「そうだね」
「やろーやろー」
「楽しみ、です」
「まずは、みんなプレゼントを机の上に置いてね」
『はーい』
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