向き合う 5
12時までにマンションに送ってもらった私とサエだが、言葉を失って並んで壁にもたれている。私は体中でサエとカオルを感じている。不思議なことには二人は私の中では一体だ。部屋に入った時からサエが私の手を握りしめている。商店街の明かりが消えて部屋の中も真っ暗になる。
「男の私でいいの?」
「男のサエがいい。記憶は戻らないがカオルに体の記憶を戻してもらった。カオルを抱くのはいやか?」
「彼女も好きになった。一緒に抱かれたい。でも捨てないで」
「いつまでも一緒にいたい。カオルとは話をした?」
「ええ、しっかり話をしてもらった。男女は愛する人を見つけるのは難しいと。私は女になったけど私を愛してくれる男の人は諦めていた。そんな時にイサムを拾って燃え上がった。カラオケバーにいた時は戻ってきてオーナーニーばかりしていた」
この狭い部屋で一人しごいているサエの姿が浮かんだ。
「カノンが時々私をホテルに誘った。彼女はイサムに抱かれたとも言っていた。3人でやらないそれは悪魔の響きだった。でもやっと私はイサムの女として求められるようになって幸せだった。でももし男と分かったらと。だから私はカオルと勝負する気でいた。場合によれば殺していたかもしれない。カオルはイサムを裏切ったと言ってるけど、イサムのためにぎりぎりのことをしたんだと思う」
「まだ後始末があると言っている。これは私の仕事だと思っている」
「私も協力する。それにまた3人でやりたい。私って変態ね。もうまた立ってきている。私いつまでも綺麗でいれるように頑張る」
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