第18話 生活 3

 サエはこの3日間口をきいてくれない。

「あのな、こういう場合調査するのは分かるか?」

 親分が帰って行った店の女の後姿を追いながら言う。

「決算書は当てにならないぞ。このおしぼりやを調べてみろ。おしぼりの数はごまかせない。わしの名前を出せば教えてくれる。それから集金の帰りにこの店を覗け。領収書を貰ったら落としてやる。延長はするな」

 親分のそばでこの3日間貸付先と会う。貴重な話を聞いていてメモを取る。それから問答があって調査を担当する。

今までは会計の番頭の仕事だったが、彼奴のはセンスがないとの親父の評価である。どうもこの貸付が裏稼業で儲かるようである。

「あのカラオケバーに飲みに行く?」

 集金の終わりに姉さんが声をかけてくる。

「いえ、これから貸付先の調査に行きます」

 別れると地図を取り出して本通りをまっすぐ抜けていく。店の看板を確認してドアを押す。

 割れるような音楽が流れていて、薄暗くてしばらく部屋の中がよく見えない。入口で3千円を払い嫌がるのを領収書を貰う。ボーイがビールを運んできて、すぐに小太りの女が座る。

「後ろに入る?ええことしたげる」

 更に6千円を取るようだ。でも結構この時間でもカーテンに入る客はいるようだ。

「退き!」

 女の声がして小太りの女を弾き出す。

「延長はせいへんで」

「何言ってるの会いに来てくれたんと違うの?」

 黒髪の女だ。

「指名の金は持つから入って」

 さっそくズボンを脱がせると口に含む。

「今日は後ろはだめなのごめんね。あれからまたやぶ医者の治療中。オナニーしてきた?」













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