9月16日 -黒い日記-

私には家族があった。


愛する娘がいた。


娘は元気に育ち、とても美しい少女となっていった。


私は娘が怖かった。


愛する娘を傷付ける事が怖かった。


私は娘を国に売った。


国は娘を公娼にした。


私達一家は娘のおかげで兵役を逃れた。


私はあれ以来酷く後悔をしている。


娘が相手をした軍人達は、どのように娘で遊んだのかを事細かに手紙にして送ってきた。


その度に私は彼らの死を願った。


そして自分の死を願った。


私は二度と子供を作らない。


私にはその権利が無い。

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