9月12日 -黒い日記-

向かいの家には美しい婦人がいる。


夫はハルマヘラ島へ出兵したと聞く。


婦人は私を見かけると、時々微笑みかける。


歳は私と同じくらいであろうか、子供はいるのであろうか、それとも処女であろうか。


結婚初夜に純潔を散らせる男女は少ない、あくまで私の周りだけの話しだが。


これまでの人生で、私が人と交わった経験はどれくらいか。


少し思い出してみると、5人ほどであったと記憶する。


私は純潔を重んじる。


童貞、処女を愛している。


私が相手をする人間は必ず汚れのない人間だ。


汚れなき私の想い人を汚そうとする者に、私は情けをかけない。


美しいものは私によって汚されるべきだ。

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