第36話

 だが、それはあくまでほんの一部のゴブリンであり、大多数はまるで

 狂気が取り憑いたように怒濤の如く突撃をしてくる。

 中には手傷を負ったゴブリンもおり、横腹を抑えつつよろめくように

 向かってくるのが見受けられた

 だがそんな事はお構いなしにと雑多な武器で武装したゴブリンが、無尽蔵の

 様に駆けてくる

 その様は、さながらゾンビのようだと言えよう

 巨大な津波の様に押し寄せてくるゴブリンの群れに、召喚人達は

 冷静な視点で状況を判断しつつ勢いを削ぐために射撃を継続する

 轟雷のような銃声が繰り返し響き渡り、辺り一帯に硝煙がたちこめる



『ゴブリンの進撃を食い止めるぞ!!』

 黒サングラスを着用している『マイケル・ダグラス』貌の召喚人が、

 弾切れになったウィンチェスターM1866に銃弾を装填しながら、必死の

 応戦を行っている

『何処から湧いて出て来たんだ!?』

 黒サングラスを着用した黒サングラスを着用した『ジャン・レノ』貌の

 召喚人が、そう叫びつつ接近を許してしまったゴブリンに向け

 銃床部分で殴りつける

 ゴブリンの頭蓋が砕け、緑色の液体が飛び散り後方へ倒れ込むと

 その場で動かなくなる。

 だがその隙を狙う様にして新手のゴブリン集団が現れ、持っている

 錆びた鉈を振り回しながら接近してきている


『ココら一帯は『ゴブリンの狂軍』以降、『ゴブリン活性化要警戒地域』化している!

 何時どこから湧いて出てくるか、分かったものじゃないぞ!』

 黒サングラスを着用している『マイケル・ダグラス』貌の召喚人が

 警告を飛ばすと、装填を終えたウィンチェスターM1866を構え直して

 引き金を絞る

『弾も無尽蔵にあるわけでもないし、このままでは

 押し切られては愉快痛快な白兵戦だぞ!』

 黒サングラスを着用している『ジャン・レノ』貌の召喚人が、ゴブリンを殴り

 飛ばしながらそう応える

『一時的に後退命令が出るまで、現状のまま持ちこたえろ!

 だが、決して無理をするな!』

 黒サングラスを着用した『アラン・ドロン』貌の召喚人が、ゴブリンが

 振り下ろして来る

 錆びた鉈を銃身で受け止め、そのまま横へいなしては手に持つ

 ウィンチェスターM1866の引き金を絞りつつ叫ぶ


『もっと最新な銃を配備してくれても良かったんじゃないのか!?』

 黒サングラスを着用した『マイケル・ダグラス』貌の召喚人が、

 ゴブリンに蹴りを食らわして、そのまま腹を蹴り上げる

 至近距離からウィンチェスターM1866の引き金を絞りつつそう言う

『 俺達は、まだ恵まれてんだよ

 今ゴブリンの塒に訪問している『第1世代』は、実戦当初は

 ウィンチェスターも配備されず、たったコルト一丁だけで補給すらも

 ままならない状況下、ゴブリンと闘い続けた』

 黒サングラスを着用した『トミー・リー・ジョーンズ』貌の召喚人が

 それに応えつつ押し寄せて来るゴブリンに対して

 ウィンチェスターM1866の銃口を向けて引き金を絞り続ける


『だから、面構えが違って見えるのか!』

 黒サングラスを着用した『マイケル・ダグラス』貌の召喚人が、何処が

 納得した様な口調で叫び、ウィンチェスターM1866の引き金を

 絞りつつ応える

『俺はてっきり、『おにぎり』を食い続けていたからだと思っていたが』

 黒サングラスを着用している『ジャン・レノ』貌の召喚人が、冷静に

 そう言いながらゴブリンが突き刺してくるさ錆びた槍を銃身で受け流す

 攻撃を受け流されたゴブリンは、勢い余って背後へとよろめき倒れてしまう

 それを目視した黒サングラスを着用した『アラン・ドロン』貌の召喚人が、

 その隙をついてよろめき倒れたゴブリンに向け、ゴブリンに向けてウィンチェスターM1866の引き金を絞った

『そんなわけ無いだろ!』

 黒サングラスを着用した『アラン・ドロン』貌の召喚人が、若干引きつつ

 そう応える


『その前に、あと数センチずれていたら俺に——『そんな貧弱な射撃腕じゃない』——最後まで言わせろ!』

 黒サングラスを着用した『アラン・ドロン』貌の召喚人に対して、そう言うが

 相手は馬の耳に念仏かの如く受け流されてしまう

 2体の様子を一瞥した黒サングラスを着用した『トミー・リー・ジョーンズ』貌の

 召喚人は、『余裕なのか?』みたいな表情になりつつも

 ウィンチェスターM1866の引き金を絞りつつ ゴブリンの群れに銃弾を

 浴びせる

 銃弾はゴブリンの足元、喉、手首、胸元、腹部や頭部を撃ち抜かれ、緑色の

 液体を流して倒れていく


 『どいつもこいつも死に物狂いだ!! 糞!!』

 黒サングラスを着用した『マイケル・ダグラス』貌の召喚人が罵りながら、

 突撃してくるゴブリンに向けてウィンチェスターM1866の引き金を絞り

 銃弾を食らわせる

 射撃の方角には、40匹以上のゴブリンが眼を血走らせ、奇声を

 発しながら迫りつつ おり、召喚人達のいる場所との距離は

 100mもなかった。

 ゴブリン達は身軽に動き回り距離を詰めようと

 試みている様ではあるものの、その速度は遅いためか徐々にだが

 距離が詰められている。

 そんな状況下においても召喚人達は、ひたすら撃ち続ける

 接近するゴブリンは被弾の衝撃でのけ反り、緑色の液体を

 まき散らしながら倒れていくが、 いかんせん数が多かった

『一部のゴブリンが遁走しているぞ!?

 追撃するのかっ!?』

 黒サングラスを着用した『トミー・リー・ジョーンズ』貌の召喚人が、

 背中を向けて遁走している ゴブリンを追いかけようと走り出す


『忌々しいがほっておけ!!こっちは人数が揃ってないんだ!!

 単独で追撃して四方から同時攻撃されてみろ!』

 黒サングラスを着用した『マイケル・ダグラス』貌の召喚人が警告を出して、

 引き留める

『糞!! 戦闘経験をしたゴブリンを取り逃したら、取り返しのつかない事態を

 招くって訓練期間で散々言い聞かされてたってのに』

 黒サングラスを着用した黒サングラスを着用している『ジャン・レノ』貌の

 召喚人がそうぼやきながら、ゴブリンに向けて ウィンチェスターM1866を

 発砲し続けていく


『まったく、次から次へとキリがない!』

 黒サングラスを着用した黒サングラスを着用した『マイケル・ダグラス』貌の

 召喚人が、ぼやくと同時に、接近してくるゴブリンに向けて発砲する

 その狙いは的確で素早いものだ

 銃弾が弧を描きつつ、狙うべき箇所に着弾していくためか次々に

 ゴブリンを仕留めていく

『弾が切れた!コルトに交換!!』

 黒サングラスを着用した『アラン・ドロン』貌の召喚人が、そう叫ぶ

 ウィンチェスターM1866の銃身に装着されている空薬莢が排出され

 地面へ落下していく

『援護する!』

 黒サングラスを着用した『トミー・リー・ジョーンズ』貌の召喚人が

 怒鳴るようにそう言うと、ウィンチェスターM1866で援護射撃を開始する

 ほぼ同時に、黒サングラスを着用した『アラン・ドロン』貌の召喚人は

 手に持っていたウィンチェスターM1866を地面に置きつつ

 ホルスターに納められているM1911を手に取り、撃鉄を起こして銃口を

 ゴブリンに向けて引き金を絞る

 向かってくるゴブリンに向けて、連射すると狙っていた眉間や喉に命中する

 銃弾が脳天を撃ち抜いたゴブリンは、そのまま背後に倒れ込むと息絶えてしまう。

 その一連の動作を黒サングラスを着用した『アラン・ドロン』貌の召喚人が

 何度も繰り返しつつ引き金を絞る

 その動作だけでも、やはり往年の銀幕スターは様になっていた。




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