源三郎江戸日記(弟五部)54 飛騨屋久兵衛はいるかと聞くと、番頭の菊蔵に御座います、旦那様は石狩山林の切り出し場にいってなさります、2、3日はあちらにいると言っていましたと言うので、そ


源三郎江戸日記(弟五部)54


飛騨屋久兵衛はいるかと聞くと、番頭の菊蔵に御座います、旦那様は石狩山林の切り出し場にいってなさります、2、3日はあちらにいると言っていましたと言うので、そうか、それなら良、

いと言ったのです、それでは幌内まで巡察に行くぞと言うと、川船で幌内に向ったのです、前回立寄ったアイヌ村に案内するように松蔵に言うと、承知しています、米、味噌、醤油、酒も、

積んでいますと言ったのです、


程なくついたので、船着場に下りて、そこにいたヌイヌに、荷馬車をもってくるように言うと、持ってきたので米、味噌、醤油、酒をつんでアイヌ村に向ったのです、村に入ると村長が良、

く来てくれたというので、お土産を渡すと、凄く喜んだのです、村は大きくなっており、牛、馬を飼っているようで牧舎が立つており、離れた草原に牛と馬が放牧されているのが見えたの、

です、


着るものも木綿をきており、和人から買っているのだ、と言っていたのです、石炭はどうしていると聞くと、時々和人が買いにくるので売ていると言ったのです、囲炉裏では黒い煙が出る、

ので燃やす事は無理だから、土間のカマドに煙突をつけて煮焚き用に使っているが、寒いときの暖炉代わりにもなると話したのです、此処の村から石狩山林の伐採に誰か雇われているかを、

聞くと、


あの場所はここから遠いのでその近くの村のアイヌが働いているが、ここの者は札幌の人足をやっていると言ったのです、暮らしはどうだと聞くと、悪い和人が少なくなったので暮らしは、

良くなっている、わしも和人の言葉が話せるといって、みんなこの村を出て行きたがるので、村の人数も少なくなっていると言ったのです、昼飯を食って行けといって出したのでみると、

白い汁です、


松蔵が牛の乳にジャガイモ、たまねぎ、人参に小麦粉が入っており、塩で味付けしたものですと言って、湯のみにはいっているのは牛の乳を薄めたものですと言うので、一口飲んでこれは、

美味い、みんなも飲んでみろというと、みんなも飲んでひこれが牛の乳ですか美味いですと言ったのです、白い汁を飲むとこれも初めての味です、味噌汁と違ってこれも美味い冬に飲めば、

体が温まるなと言うと、


村長が喜んでいます、これは誰が教えたのだと聞くと、松蔵がロシア人の料理です、千島に交易に来たロシア人から教わったので、ここの女に教えたら喜んでくれたのですと言ったのです、

ここは今は小さな畑も作っていて、ジャガイモ、人参、たまねぎ、かぼちゃを植えているそうですと言ったのです、そうか、狩猟ばかりでは冬は困るから良い事じあなと言うと、段々和人、

と同じになっていますと松蔵が言ったのです、


石炭は何と交換しているのだと聞くと、石炭10俵と米2俵と、交換しているというので、松蔵に薪と比べるとどうなんだと聞くと、薪の値段の5分の1と言う事ですね、暖炉がないと売れな、

いのでしょうと言うので、それにしても売値が薪と変わらんではボロもうけではないか、せめて3分の1位が妥当な仕入れじあろうと言ったのです、松蔵がお上が価格に口ばしをいれる訳、

にはいかないでしょうというと、


それはそうじあな、仕方ない玄海屋は薪の3分の1の値段で買い上げて薪より少し安くで売れば良い、さすればほかの者もそうせざるをえないじあろう、暖炉と一緒に売るのじあよと言うと、

そうですね、和式の家に暖炉があってもおかしくありません、その方法で商いますと言ったのです、ところで千島列島は何人の商人が交易しているのだと聞くと5人くらいの商人です、

多くやっているのは飛騨屋です、


国後など北はロシアがやっていますが、あくどい商人は取り上げている者もいるようで、北から南に逃げてくるヌイヌもいるとの事です、ここは松前藩領となっていますと言ったのです、

松前藩では対処しきれないと言う事じあな、和人が入植していないのでロシアが進出して来ているのじあろう、和人が搾取すればロシアに保護を頼むアイヌが出て来て紛争となる可能性、

がある、


カラフトと同じに国後でも、この軍船の力をロシア人に見せ付ける必要があると言う事だ、山形6尺玉の火薬の量を増やせば岩くらい吹き飛ばせるだろうと言うと、ハイ、改造しましょうと、

言って、早速改造に入ったのです、山形が今は真ん中に心がありますが、これを取り除いて全部火薬にします、従来の二倍の火力になり岩は吹き飛ばす事ができます、人なら5、6人は殺傷、

できますし、


船にあたれば大きな穴が開きますと言ったのです、幕府が総ての島に出先を設けるのは100年以上はかかるじあろう、それまではアイヌを保護して対抗せねばならぬ、アイヌの村長を一回、

函館に集める必要があるなと言うと、沢山の部族がいますが、中には強行な者もていますので、一筋縄ではいかないと思います、なるべく早く千島に行ったほうが良いですねと言うので、

稚内に寄ったら、


カラフトではなく国後にまず行くとしょうと言ったのです、半日で石狩山林の切り出し場に着いたので船を降りて現場に行くと、大勢のアイヌが木の切り出しに従事しています、久兵衛は、

いるかと聞くと、おまえは誰だと聞くので、幕府巡察視の村上源三郎だと言うと、ヘイ、だんなは札幌に戻りましたと言うので、ここは和人も働いているのかと聞くと、伐採の監督をして、

いますと言うので、


アイヌをムチでこき使っているじあろうというと、油断するとすぐに怠けるのですと言うので、手を休ませろせここ集めろというと、人足頭がみんな手を休めてここに集めろと言ったのです、

みんなが集まったので、松蔵に何時から何時まで働いているか、飯はどうなっているのか、給金はいくらかを聞けというと、松蔵が聞いて、毎日日の出から日暮れまで働いているそうで、


飯は昼と夜の二回煮炊きをしているそうです、給金は一日120文だそうで1朱の半分と言う事ですと言うので、人足頭に和人の給金を聞くと、1日1朱だと言うので和人の半分か、飯はと聞く、

と自前だそうです、一月働いたら渡すそうで、途中でやめると貰えないそうですというので、ヤツパリ搾取しているのだな、ここに飛騨屋の者はいないのかと聞くと、手代の文吉です、

この現場をまかされていますというので、


おまえが給金を支払っているのかと聞くと、ハイと言うので、米、味噌、醤油、酒、魚、野菜はどうしているのだときくとあの小屋で売っています、アイヌも和人もそれを買っています、

と言うので、いいか、これからは一日の働く時間は4刻すなわち8時とせよ、昼には1時の休みを与えよ、給金は和人と同じ一日1朱とせよ、半分では飯代を引くと少ししか手元に残らんだ、

ろう、


アイヌからの搾取はよせ、人足頭はムチで叩くのはやめろ、これを守らないと、飛騨屋の蝦夷地の観察は取り上げるぞ、今月から実行しろ、過ぎた分の日当も同じじあと言うと、旦那様に、

了承してもらわないとわたしの一存では出来ませんと言うので、了解しないなら鑑札は取り上げて、他の商人にやらせる、いいかと言うと、ハイ、承知しましたと言うので、今月末に役人、

は派遣して確認するぞと言ったのです、


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