ー 小夜曲 ー

ー 小夜曲 ー



人差し指で触れた季節


君は一斉に外の世界へ飛び込んだ


無意識に愛した感情と 命を重ねて生まれる春に


僕を連れて飛び込んだ



普通の毎日がめぐるうれしさに


平凡の力強さに気づかずに


僕らは二人 微笑んでいた



けれども 愛の外側の真っ黒な孤独の中で


誰にも聞こえない


僕が大声を放つなんて



明日も生きる予定のあるきみが


悲しい気分のまま逝ってしまうなんて



いつまでも動かない時計の針の静けさの中


愛の中にも 愛の外にも


言葉を投げ込む場所はどこにもなかった



君が好きだった薔薇を 今日も一輪花びんに刺そう

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