三、

卑弥呼様、再降臨!!

 夕食後、紗耶香あたしはさっさと入浴を済ませ、自室にもった。

 部屋のドアに鍵をかけ、ベッドに寝転がる。そしていよいよお待ちかね(笑)の、アレを始める。


 いや、あくまで卑弥呼様を呼ぶためだからね。仕方なくやるんだよ。三日間禁欲生活だったから、ムラムラ悶々しまくりでもうガマンできない……とかそんなことは全然ないからね。いやいやほんとホント、ウソじゃないってば。


 あ~んなこととか、こ~んなこととか、他人様には絶対明かせないようなスッゴい妄想にひたりつつ、いや浸るまでもなく、三日禁欲女子の体は呆気なくその、何と言うか……アレアレ~な状態に達しちゃった。


 アタマ真っ白の状態で、ふう~っ、と大きく息を吐いた瞬間、傍らに卑弥呼が出現した。

「あっ!!」

 あたしは慌ててパ○ツを引き上げる。


「そなた、また○んずりか!?」

「ち、ち、違うもん。してないもん」

「やっておったではないか。部屋中に淫気が満ちておるわ。ニオうぞ」


「そんな事はどうでもいいからさあ……」

 あたしは猛烈に赤面しつつ、急いでベッドから起き上がる。ティッシュを抜き取ると素早く右手を拭い、それからPCをウェイクアップさせる。


「帯方郡がこの辺で、狗邪韓国がこの辺。対馬、壱岐……ときて、末廬国はこの辺ですか?」

 と、予め用意しておいたWebマップの一点を指し示す。

「おう。多分そうじゃ」

 卑弥呼は大きく頷く。


「なるほど。じゃあ、伊都国はどこですか?」

が直々に赴いたわけではのうて、男衆おとこしより聞いた話から推測するに過ぎぬが、多分……この辺りじゃ」

 そう言いつつ卑弥呼が指し示した場所は、まさに佐賀平野だった。佐賀平野の、有明海に面する海岸端であった。


 ほら、やっぱりそうだ。福岡糸島付近ではなかったじゃん。――

 末廬国から東南に約四〇kmといえば、そこに違いない。有名な吉野ヶ里遺跡のある、佐賀平野だよ。


「ありがとうございます。やっぱりそこですか。これで日本史の長年の謎が解けましたよ」

「そうか。……おお、ちなみに『伊都いと国』ではないぞよ。それは魏朝の役人共の聞き違いじゃ。正しくは『の津』ぞ」


「え~~~っ!?」

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