第9話 システムメニュー②

 さて話がそれてしまったので元に戻そう。


 他の項目に目を向ける。



 スキル 【クリエイト】



 これが何なのかは分からない。

 多分ではあるが婆が言っていたってのがこれなんだと思われる。


「説明とかフレーバーテキストとか無いのか・・・・・・お、何か出た」


 【クリエイト】を選ぶように意識すると別なウィンドウが視界に新たに表示された。

 飾り気のないウィンドウの中に表示されていたものは次のようなものだった。



 ・【ジョブ作成】

 ・【ジョブ強化】


  取得CP【20P】



 それを見ただけでこれが何であるのかが直ぐに解った。そしてめっちゃめちゃ興味が湧いてくる。これは絶対オタク心を擽るタイプのもの!


「所謂キャラメイキングだよな、これ!」


 数ある名作RPGには自ら成長項目を選んで育てていくタイプのものがあった。選択肢によって同レベル帯であっても全然違う特色のキャラに育ち、攻略や戦術が大きく変わることから、育て方をどうするか多くのプレイヤー同胞たちが思考錯誤していた。俺も何度も育て直して研究をしたことがある。

 これは多分それに近い仕組みだと思われる。


 俺はこういったやり込み要素が大好きだ。

 流石にやり直しが出来ないので慎重に考えないといけないが、それはそれで悩むのが楽しい。


 なるほど、俺は作る側の立場でもあるし、確かにこれは俺向きの能力だと言える。


「つまりは【システムエンジニア】は他のジョブを作る為のベースジョブみたいなもんか」


 それだと納得が出来るかもしれない。


「どれどれどんな感じだ?」


 先ずは【ジョブ作成】を選択してみた。

 ウィンドウ内の表示が変わる。




ジョブ名【      】


筋力:100 + -

耐久:100 + -

俊敏:100 + -

魔力:100 + -

精神:100 + -

器用:100 + -


使用可能パラメーター値【0】




 出てきたのはジョブの名前を入力する欄と各種パラメーター。

 名前欄は良いとして問題はその下のパラメーターの所だろう。


 ステータスと同名のものが並んでいた。

 その隣には全て100という数字と+-の表示。


 ステータスではこの項目全部が10だった。そうなるとこの100というのは割合とか相対値とかそういった類のものなのだろう。

 【HP】と【MP】と【運】が無いのは、それは動かせないというあらわれ。【運】が無いのは何やら作為的なものを感じずにはいられない。


 それはともあれ観察しているだけではどうにも解らないので試しにいじってみる。




ジョブ名【      】


筋力:10  + -

耐久:100 + -

俊敏:100 + -

魔力:100 + -

精神:100 + -

器用:100 + -


使用可能パラメーター値【90】




 【筋力】の数値を減らしたら減らした分【使用可能パラメーター値】の値が増えた。

 今度は別な項目を増やしてみることにする。




ジョブ名【      】


筋力:10  + -

耐久:190 + -

俊敏:100 + -

魔力:100 + -

精神:100 + -

器用:100 + -


使用可能パラメーター値【0】




 予想通り【耐久】の数字を増やしたら【使用可能パラメーター値】が減った。0になってからはそれ以上増やせなかった。


 つまりこれはパラメーター値の割合配分である可能性が高い。絶対数は変わらずその範囲内であれば好きに数値を変更できそれに沿った能力を得ると。

 そしてこの数値がパーセンテージとなりステータス値に掛け率となり反映されるのだろう。


「なるほど、これは興味深いし面白い」


 なかなか良く出来たゲーム的仕組みだと思う。それだけに俺としても面白く感じる。

 あの物臭なパラメーターから察するにレベルアップ時のステータス増減値は全部の項目が一緒だと推測される。そしてここで各項目に振れ幅を与える事によってその成長度合いに違いが出るようになると。


「そうなると重要なのはステータス項目の役割だな。字面で大体の予想は付くけど・・・・」

 

 興味深く探っているとステータス画面で項目ごとの説明が表示された。




『筋力:主に物理攻撃力に影響する。加え通常時における腕力等身体の膂力にも直結』


『耐久:主に物理防御力に影響する。加え体力や持久力にも影響する』


『俊敏:主に肉体の反応速度及び加速度に影響する。筋力値との相互影響は無い』


『魔力:主に魔法技能の威力及び規模に影響する。ただ魔法以外のMPを使用する特殊技能には影響しない』


『精神:主に感応技能に影響する。魔法とも物理とも違う特殊技能に対する影響』


『器用:主に特殊技能に影響する。加え肉体全般の動きを繊細に捉えることが出来る』




 大雑把な説明ではあるが大体知りたいことは解った、が。


「【精神】ってのが曖昧かな。それと【特殊技能】や【感応技能】が何なのかが不明だな」


 試しにジョブ名に【システムエンジニア】と入れて登録をしてみる事にした。

 何もわからないも怖いのでコストをかけても試してみたかった。

 数値はデフォルトのまま何も変えていない。それが失敗したとしても一番被害が少ないだろう。



『作成にはCPが5必要になります


 作成しますか?


 はい・いいえ』



 予想通り作るのにコストが掛かるらしい。

 俺はそれでもいいと【はい】を選択。



『システムエンジニアは既に登録されている為作成できません』



 すると次の様なメッセージが出て来て作成は出来なかった。


「なるほど、一旦作ったものや同名は作れないと。それとCPってのはさっきの画面に出ていたやつだよな。それを消費して作成するわけか」


 でもこれである程度は解った。


 それなら次の奴を確認しておこう。



 次は【ジョブ強化】。


 選んだ瞬間、視界に収まりきらない文字が並んだ。




 【パッシブスキル】

  ・筋力強化1:1P

  ・耐性強化1:1P

  ・俊敏強化1:1P

  ・魔力強化1:1P

  ・精神強化1:1P

  ・器用強化1:1P

  ・HP増加1:1P

  ・MP増加1:1P

  ・剣術1:1P

  ・槍術1:1P

     ・

     ・

     ・

     ・

     ・

     ・

  ・軽業1:1P

  ・気配察知:2P

  ・鑑定眼:10P

  ・森羅万象:10P

  ・魔導1:10P

  ・並列思考1:5P


 【アクティブスキル】

  ・剣技1:1P

  ・槍技1:1P

  ・杖技1:1P

  ・斧技1:1P

  ・盾技1:1P

  ・闘技1:1P

  ・遠見1:1P

  ・隠密1:1P

  ・縮地1:1P

     ・

     ・

     ・

     ・

     ・

     ・

  ・植物操作1:2P

  ・地形掌握1:2P

  ・火魔法1:2P

  ・水魔法1:2P

  ・風魔法1:2P

  ・土魔法1:2P

  ・錬金術1:5P




「おぅ、情報量が多い」


 こちらはどうやらスキルセット画面のようだった。

 そしてスキルの数だがもの凄い。スクロールさせてもいくがなかなか最後までたどり着かないほど。


 どうもスキルは二種類に分かれているみたいだ。


 【パッシブスキル】と【アクティブスキル】。


 あぁこの辺りは本当にゲームっぽいな。


 一般的な、というよりゲーム的な見解でいくと【パッシブスキル】は常時発動型のスキルで、【アクティブスキル】は使用選択をして発動するタイプだ。で、恐らく【アクティブスキル】の使用にはMPが必要となるのだろう。


 きっとこの考えであっている。


 どうもこの【ゲームシステム】は俺の考え方が反映されている様に思えてならない。

 婆が俺にあった能力を与えたと言っていた、それは俺の思考を読み取って決めたのではないかと考えている。ならば俺が考え得る仕組みとなっている筈で、これまで見てきた内容からもその可能性は比較的高い。


 しかしこれで確定したな。


「ふふふふふ、魔法、それとスキルがあるじゃん」


 【アクティブスキル】内に魔法が確りと載っていた。

 残念ながら飛ぶ斬撃を思わせるものが無かったが、俺としては【剣技】辺りが怪しいと思っている。


 だがこれで今まで状況証拠は色々とあったが、間違いなく魔法が使えるというのがはっきりとした。


 逸る気持ちを抑えつつやらないといけない確認作業を続ける。


「スキルもCPをコストにして設定するのか」


 出ている情報はスキル名と覚えるのに必要なCP量だけ。

 もっと詳しい情報が欲しいなと、パラメーターと同じように項目を選んでみたらそれは表示された。


 選んだのは【火魔法1】。

 出てきた情報は以下の通りだった。




『条件:魔導1を取得済み』


『火魔法【飛焔ひぜん】 消費MP3』


『取得しますか? YES/NO』




 なるほど、【火魔法1】を覚える為にはまず【パッシブスキル】の【魔導1】を覚えないといけないらしい。


 で、その【魔導1】はと言えば。



『条件:魔力150以上 精神150以上 器用120以上


 効果:魔導に目覚め魔力調節が可能となる 魔法の威力に補正 補正値 レベル1 10%~1000%』



 となっていた。


 それにしても・・・・・・・


な」


 これを取得するのにCPが10必要だ。しかもこれだけでは何の意味も無いので更に魔法のアクティブスキルもとるとなると更にCPが必要となる。


 あとこちらは覚えるのにどうやらパラメーターの条件もあるようだ。


 【魔力】と【精神】が150以上、【器用】が120以上。


 この数字は【ジョブ作成】の数字だろう。そうすると絶対値は変わらないので、これら三つをこの数値まで上げる為には他の【筋力】だったり【耐久】などを下げなければならない。


「つまり魔法を使うためには接近戦が弱くなるってことか」


 一旦これをキャンセルし他のも見てみた。




 【HP強化1】 条件:無し

 効果:HP×1.1倍 自動回復 Lv×10%/時間


 【筋力強化1】 条件:無し

 効果:筋力×1.1倍


 【射撃1】 条件:精神100以上、器用150以上

 効果:LV×10m以内の命中率100% 倍の距離で0%


 【剣技1】 条件:【剣術1】を取得済み

 効果:剣技【パワースラッシュ】




 スキルによって取得の条件は様々だった。

 だが確実に言えるのは満遍なくはどうやっても出来ないと言う事。


「こうなってくるとパーティーを組むかジョブも複数作らないと厳しいよな」


 冒険をするのに物理のみや魔法のみでは対処できないケースも出てくる可能性がある。

 そうなるとどちらにも対応できるように複数人で行動するか、或いは一人でも対処できるように複数の能力を切り替えるかが必要だろう。


 俺の予測ではジョブは何度も切り替えが可能だと思っている。


「ならばとるべきは複数のジョブだ」


 パーティープレイもいいが当面は一人が確定している。であれば色々対応できるようにジョブを複数作る方向で考えた方が良いだろう。


 それに俺は剣も使いたいし魔法も使いたい。


 だったらどっちも作るしかない。


 となると一番の問題は【CP】だ。


 結局これが無いと何も出来ない。


 現在持っているのは20Pだけ。これだけだと一つ作って終わりだろう。しかもこの時点で魔法使いを作るとめっちゃしょぼいのになってしまう。


「あるとすればレベルアップでCP獲得ってとこか・・・・・・どれだけ増えるか解らないが、これ全部は絶対とれないだろうな」


 とんでもない数のスキルがある。しかも見た限りではスキルのレベルアップにもCPを使う筈だ。そうなるとCPの使い方は確りと考えないと拙い。

 あと中にはとんでもないコストが掛かるスキルも存在している。




 【錬金術1】 条件:賢さ200以上、器用200以上

           【料理1】【裁縫1】【木工1】【彫金1】【陶芸1】【調薬1】【鍛冶1】【鑑定眼】を取得済み

        効果:錬金術が使用できる




 なんだ、こいつは!?


 必要取得スキルが八つもある上にパラメーター値が200以上が二つって、厳しすぎだろ。その中の【鑑定眼】だけでもCPが10も使うんだぞ。


 こいつだけ明らかに異常・・・・・・・・・でもそれだけにチートっぽい匂いがビンビンする!


 でもこれは諦めるしかない。

 このロマンスキルを手にする為にはあらゆるものを犠牲にする必要がある。


 ともあれこれで一通りは目を通した事になる。


 そこで俺は考える。どういうキャラを作っていくかを。


「最初の弱いうちは魔法系だと苦労するのが目に見えているからな、そうなるとやっぱり接近系、しかもバランスタイプがベターだろうな」


 この辺りもゲームと同じだと考えている。

 どうしても魔法使いタイプだとMP依存になるのでMPが無くなった時点でアウトだ。それだとMPの少ない現時点で魔法系を作ってしまうのは愚策と言える。


 それならばある程度HPやMPが育つまでは近接戦闘系が良いだろう。その中でも状況に合わせる為スピードとパワーの両方を兼ねた剣士タイプがいい。

 魔法使いはその後、CPに余裕が出来てからでも遅くは無い。

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