第92話 般若

「疲れた…」

あの後、夜のパレードまで見て帰ってきたので時刻は0:00を回っていた。

「まあ、楽しかったし夏美さんには感謝だな」

風呂を温めなおし入る準備をしていた。


「お兄ちゃんお帰り…、楽しかったの?」

「初めてだったから結構楽しかったよ」

「そっか…。それで何かされなかった?」

目が覚めたら裸だったことは言わないでおこう。ばれたら大変なことになる

「なにもなかったぞ?」

「そう…ならよかった。」

少し心苦しいが許してくれよ。

ってかなんで知ってるんだ?

顔に出ていたらしく燐が答えた。

「春さんからメッセが来たんですよ」

そういってスマホを見せてくる。


『彼氏とディ〇ニーなうw』

「何してくれとんじゃこらぁ」

しかも写真付きって…これもしかして外堀から埋められてたりする?

いや怖い、ほんと怖いよ?


「お帰り栄治君」

「ああ、ただいま京」

「遅かったね…、何か言うことは?」

「はい、ごめんなさい」

素直に土下座をした。

殺意があふれ出てるんだもん、楽しかったとかいったら刺されるぜ?


「以後気を付けてね…」

「はい、以後気を付けます」

お風呂が沸いたので俺は逃げるように風呂場へ向かった。


「怖かったよ…。本当に死ぬんじゃないかと思った。」

「情けねえなぁ。もうちょっとしっかりしろよ」

「うるさいな、お前だって土下座には同意見だっただろ…」

「うっ…、あんなのどうにもできねえだろ。後ろに般若がいたぞ」

「お前も結局は変わらないじゃないか…」

「根本的な強さが違うんだよ、生物的直観で食われる側だと悟ったから抵抗しなかったんだ」

最近俺の顔半分で人格が変わることがたまにある。

病院に行きたいところだが、いい病院を探している段階なのでもうしばらく我慢するしかない

これの欠点は、一人でぶつぶつとしゃべっているように周囲から見えるので痛いやつ認定されることだ。


「ゆっくり湯船に浸かって寝るぞ」

「此処で寝るなよ…」

「わかってるさ」

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