第62話 看病

俺は、玄関の扉を静かに開け家の中へ入っていった。

「ただいま」

燐を起こさないように小声で挨拶をする。

とりあえず、お粥でも作って持っていくか。

リビングへ向かったのだが、リビングから物音が聞こえた。

京の両親もすでに帰っているので家には燐と俺以外誰もいない。

「燐!!」

ふらふらな状態で火を使おうとしているのなら危険だ。俺は無意識に走り出していた

案の定、ふらふらな燐がお粥を自分で作ろうとしていた。

「おにい…ちゃん…?なんでここに…いるの?」

「お前が心配で帰ってきた。よかったよ、その状態で火をつかわせないようにできて、俺がお粥作から寝てろ?」

と部屋に戻らせようとしたが、歩くのも辛そうなのでお姫様抱っこ状態で部屋まで連れて行った。

「ごめんなさい…」

「謝んな。これが兄の務めってやつだからな」

と微笑んで返した。


「さてと、お粥だがどうやって作ったものか…」

自慢ではないが、俺に料理をさせたらダークマターができるほどに料理の腕前はひどい

「ダークマターを燐に食べさせるわけにはいかないからな、くっくっくパッドで調べて作るか」

俺は、『お粥 簡単』で検索をかけた。

「おっ、出てきた。さーて、頑張るか」


まず、小さい土鍋にお米とたっぷりの水を入れて沸騰させます。

沸騰してきて、米がいい感じに柔らかくなったら梅干を上にのせて完成だ。

「よし!!俺にしては、完璧の出来だ」

燐のところへ、アスエリアスとお粥をもって行った。

「燐…?お粥で来たぞ」

「ありがとう…ごほっごほっ」

この状態だと、一人で食べるのは大変そうだな

「ほれ、あーん」

燐は、少し驚いたようだが素直に口を開けた。

半分くらい食べた。

「もう。いいや」

「わかった、冷えピタ持ってくるな」

リビングに戻り冷蔵庫から冷えピタを取り出して戻ってきた。

「ちょっと、冷たいけど我慢しろよ」

額と動脈のところに貼ってあったのをはがし、新しいものを貼ってあった場所に貼りなおした

「んー。」

「おやすみ」

「うん・・・」

静かに扉を閉め、部屋を出た。

「何をするか…」

多分燐は寝たので、何をするか…

そういえば、アスエリアスがないので買ってくるか。

近くのコンビニへと向かいアスエリアスを買った。

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