第29話 懐かしき物語
「うう…もうお婿に行けない」
俺は妹の前で放尿させられた。
「いっぱいでたね❤️」
やめて、本当に死にたくなるから、ってかもうすでに死にたい。
「さてと、お兄ちゃん夜も遅いし寝よっか?」
俺はベットに倒された。
「燐?俺は床でいいから。ね?この歳で一緒に寝るとか良くないから?」
「全然気にしないから安心して?それとお兄ちゃんが寝たら少し襲っちゃうかもしれないけど」
どこに安心できる要素があったの?これは寝れんな…
その夜、俺と燐は一緒に寝た。といっても俺は寝てないけど
こうして一緒に寝るのは久々だな…。
燐が小さかった頃はよく俺のベットの中に潜り込んで一緒に寝ていたものだ。
「燐、おっきくなったな…」
懐かしいなぁ…
最初に一緒に寝たのは、確か…燐が引っ越しが嫌で両親と喧嘩して家から出てった時に怖い思いをしたからなんだっけな…
当時俺の家は今でこそこの街に定住しているが親父の仕事のせいで転々としていた。
燐は折角できた友達と別れるのが嫌で両親と喧嘩したんだっけな…
燐は泣きながら「大っ嫌いだ」って吐き捨てて家から飛び出したんだったな。
両親は、直ぐに戻ってくるだろうと思っていたのか探す気配がなかった。
俺は、春と出会った時のことを思い出し急いで燐を追いかけた。
「はぁ、はぁ」
ようやく目視できるところまで追いつけた。
少し先には、泣いて嫌がる燐と燐の腕を掴んで連れて行こうとするおっさんがいた。
「てめぇ、燐に何してんだ、離れろ」
「お兄ちゃん…」
おっさんは俺だけだからと大丈夫と踏んだのか凛の腕を放す気配はなかった。
「おじさんは、ちょっと燐ちゃんと楽しいことをするから、お兄ちゃんは先に帰ってな」
「お生憎様、一回そういう奴と関わったことがあるんだわ、そしてそれを一回警察送りにしてるんだよ、おっさん今燐の腕を放して逃げるんだったら警察は見逃すけど?
どうする?」
まあ、カモフラージュしてあるカメラで顔はバッチリ撮ってあるからどうするんだ?
「俺を脅すとはいい度胸だな、クソガキお前は此処でボコボコにしておく方が良さそうだ。」
できれば、平和に終わらせたかったんだが…そして前のは奇襲だったから勝てたが、
正面からじゃ勝ち目がないだろうな…
「やろうか。」
そう端的に俺は発する。
「おっさん、こいよ」
俺は取り敢えず燐を逃がしてやるためにおっさんを呼んだ。
「オラァァ」
交わすことはギリギリできている。
「燐、いまだ逃げろ。はやく!!」
焦っていたので少しキレ気味になってしまったかもしれない。
「で、でもお、お兄ちゃんが…」
「大丈夫だぞ、お兄ちゃんなんだから妹を守るのは当然なんだ」
「ごちゃごちゃ話してないで攻撃してこい」
「燐、はやく行け」
なんとか、燐を逃げさせることができた。
だが、それが油断に繋がったのか俺はボコボコにされ始めた。
「妹思いのいい、お兄ちゃんだね」
「うるせぇ…、」
全身が痛い、青タンだらけなんだろう…
「君、こんなところで何してるんだ」
誰だろう…?
運良く、警官が見回りに来たらしい。周りにはあのおっさんは既に居なかった。
「ちょっと、それよりも誘拐未遂の男の画像です。」
俺は警官にカモフラージュしたカメラを渡した。
「君の家まで送るよ…」
「すみません。」
警察の人は帰る途中なんでこんなことになったのか詳しく聞いて来た。
そして
「いいお兄さんだね、妹のために命を張るなんて」
優しい声音で言ってくれた。
凄く、嬉しかったし、緊張が解けて泣き出してしまった。
「頑張ったね…」
両親は泣いて俺のことを出迎えた。
「ありがとう、ありがとう…」
「いい、お子さんをお持ちですね。これから犯人の特定に入りますので本官は失礼します。」
「ありがとうございました」
深々と俺たちはお礼をした。
その夜
「お兄ちゃん、ありがとう。本当に怖かったよ…」
俺のベットの中に入ってきて燐は泣きじゃくった。
「気にすんな…、お前が無事でよかったよ」
おれは燐を抱きしめて寝た。
それが一緒に寝始めた最初だな…
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