シリーズ物没ネタ
少女は目を覚ました。
制服を着た髪の長い少女。
白く、どこかに温もりを感じる空間。
何かに導かれるようにその光の道を歩き始めた。
暫く歩くと、目の前に大きな石が3つ。
規則性があるのか、三角形の形に並べられている。
そのうちの一つ。青い石に近付いて見た。
何か刻まれている。
『友を知り、知恵を用い、友と共に、輝きを取り戻した、勇気ある隊長、ここに眠る』
内容は理解できない。
ほかの石も探る。
緑色の石も同様に、刻まれている。
『友との絆を築き、その心を知り、協調を生み出した、優しき職員、ここに眠る』
最後に赤い石を見た。
『友と出会い、真実を知り、謙虚さを貫き通した、夢を求め、希望を捨てることなき親友、ここに眠る』
全て書かれている事は別々の内容。
しかし、共通していることがあった。
『友』というワード。
三角形の中心に、なにか文字が刻まれているのを見つけ、覗き込んだ。
『失われし過去、創成される未来において、勇気、優しさ、希望を持ち輝きを有する。それを認められた者こそが新たなる伝説を刻む勇者である』
尚更、理解ができないが、面白そうだなと思った。それと同時にこれは夢だと感付き始める。
夢を見るのは久しぶりのことだった。
無意識に真ん中の文字の上に立つ。
石碑が光出したような、気がする。
そして、声が聞こえた。
『...仲間を信じるのです。そして、助け合うのです。分かり合えたその時、
友情は何よりも勝る、強大な力へとなるでしょう...。私の“勇気”を差し上げます』
青色の光が自分の身体を包んだ。
『...仲間を知るの。どんな見た目であっても、どんな性格であっても。
知るという事は絆を築く上で最も重要な手段のひとつ。そして、寛容の優しさ。これを持つこと。特別な“優しさ”をあなたにあげるわ...』
緑色の光が包んだ。
『...仲間を思いやってください。褒めてあげてください。きっと、喜ぶ顔が見れる。そして、どんなときも諦めないで。ぼくは、諦めない大切さを友人から教えて貰った。希望が持てた。
…あなたに“希望”をあげます。』
赤色の光が包んだ。
なんて壮大な夢なんだろう。
三色の光に包まれた私は、体が軽くなった気がした。思い切って、
そのまま、まっさらな空へ飛んだ。
.
.
.
ピピピピピピピピピピ...
電子時計の音で憂鬱な朝を迎えた。
「うぅーん...」
まだ寝ていたい。
せっかくカッコいい夢を見たんだから、
続きを見させてほしい。
「起きなさい!ミズホ!」
母の声だ。鬱陶しい。
遮るように布団を被る。
「あんた今日から新学期でしょ!?
いつまで寝てんの!もう7時10分だよ!」
目を擦りながら起きた。
(もうめんどくさいなぁ...)
クローゼットから制服を取り出し着る。
高校生なのにセーラー服の学校は珍しいと思う。
純白に青い線が入る。そして目立つ赤いスカーフ。
階段を降り真っ直ぐ洗面所へ行く。
顔を洗い、軽く髪を梳かし、ヘアピンで止める。
リビングで急いで朝食を取る。
「おはよ、あれ、サクラは?」
「もう出て掛けたよ。10分前に」
母は冷たく言った。
「忘れ物はないの?」
「昨日詰めた」
「今年から受験生なんだから、しっかりしなさい」
「...うん」
そう会話を交わし、黙々と食べた。
半分だけ食べ、
「ご馳走様」
急いで洗面所へ向かい歯を磨いた。
「...行ってきます」
大急ぎで荷物をカゴに入れ、自転車を漕いだ。
通学路、桜並木が目に入る。
ポケットに入れておいた腕時計を装着する。7時30分。少し家を早めに出たことが功を奏した。
始業開始まで後1時間は余裕ある。
心にゆとりが出来た。
家から学校は普通に行けば40分ほどだ。
(なんだ...、慌てることなかった...)
自転車のスピードを落とした。
道中夢のことを思い出したが、
結局自分では何もわからないと考えるのを諦めた。
ちょうど家から半分のところ。
下り坂になっている。
ブレーキに手をかけながら、下る。
この道の右手は叢になっている。
市の土地かなんかで、ずっと手が付けられていない。
その坂を下り終え、平坦な道に変わろうとしていた。その時だった。
「...!?」
視界に急に何かが飛び出してきた。
「ウッ!」
野太い声が聞こえた。
思わず目を閉じたので何が起こったかわからない。
恐る恐る目を開けた。
前方で何かが倒れている。
この時戦慄した。
損害賠償...、自分は殺人者のレッテルを貼られ...、遺族に罵られ...
「アイタタタ...」
頭を撫でながら上半身を起こす。
「あっ...!ご、ごめんなさい!
お、お怪我は...」
「平気平気...!ゴメンね急に...」
その人物を改めて見ると、違和感を感じた。
金髪、猫耳、ノースリーブ、豹柄みたいなスカート、そして肩から茶色い革製のバッグを掛けている。
「ごめんごめん...」
そう言いながら立ち上がった。
明らかに撥ねたハズなのに怪我をひとつもしていない。スタントマンか?バケモノか?いや、見た目から、猫?
普通の人間でないことはミズホから見てもあからさまだった。
「わたしはサーバル...、
ジャパリパークから来たんだ」
サーバル?どこかで聞いた名前だ。
「えっ、えっと...、私はうつ...」
「あっ、あなたは!」
サーバルが声を上げる。
「あなたが勇者なんだね!」
「えっ...?」
「だって言ってたもん!夢の中でね!
緑色の髪をしたヒトと、ピンク色のヒト、黒髪のヒトが出てきてね、向こうの世界で最初に出会ったヒトがパークを救ってくれるって!」
必死に説明するが、その全容が全く見えてこない。
(変な人に絡まれた...、遅刻しちゃうよ...)
「ねぇ、ボス!この子だよね?」
茶色い革製のバッグから青色の物を取り出す。頭を片手で掴んだまま、目の前に突き出した。
「...ハジメマシテ」
「やっぱり!」
また嬉しそうな声を上げた。
「ごめんなさい!先急いでるんで...!
私はミズホですっ...、失礼します!」
急いで自転車を発進させた。
「あっ...待ってよ...!
あっ、そっか!狩りごっこだね!
負けないよ!行くよ、ボス!」
「...」
ボスをバッグに無理矢理突っ込んで、
ミズホの後を追いかけた。
何とか5分前に辿り着いた。
教室に遅刻せず入れたので、
ほっと一息ついた。
しかし、今朝出会ったあの少女が、どうも腑に落ちなかった。
(サーバル...、サーバル...)
どっかで聞いたのに、思い出せなかった。
「おはよう、ミズホ」
「あぁ、ヒナタ...」
髪を束ねた彼女は
「3年はクラス替え無くて良かったね。
また一緒で」
「う、うん」
即席の笑いを見せたところで、
パッと思い出した。
「あの、ヒナタ、サーバルって知ってる?」
「うん...?猫っぽい見た目した動物でしょ。動物園にいるよ」
「そうなんだ...」
「それが何か?」
「いいや、何でもないんだ...」
「そう?」
不思議そうな顔を彼女は見せた。
そこでチャイムが鳴った。
しかし、まだ自分の中では疑問が渦巻いていた。
(でも、なんでサーバルが人の姿で...?
それに...、はねちゃったし...)
「あれれ...、どこ行ったのかな...?
みずぎちゃん...」
「...サンドスター・ロウヲ、感知...」
「えっ...!?本当?早く見つけないと...」
一方、ホームルームが終わった後、体育館にて、校長の長ったらしい話を聞かされていた。
だが、未だにサーバルの事が頭から離れなかった。
(もうなんなんだろう...、全く...)
ハァ...
重い溜息を吐いた。
(ん...)
突如、遠くの方で雷の様なものが鳴る音がした。
ゴォォ...、ゴォォ...
この音は私だけでなく、そのほか何人かも気になった様子でチラチラ顔を横に向ける。そして、徐々に近付いているような...
「おい!何だあれ!」
1年の男子が指を差して声を上げた。
その事でこの場は喧騒に包まれる
小高い丘の上にあるこの学校、あっちの方角、谷を挟んで山がある。
その山の中腹を滑り降りる様にして来る
「黒いヤツがこっちへ来る!」
「落ち着いて!落ち着いて!」
余程大きいのだろう。ここから目視で確認出来るという事は。
私はただ遠くの方で棒立ちをしていた。
みんなは先生の制止を無視し山の方向を見る。
「あっ!いたっ!」
この声は、サーバルだ。
「ちょ、あんた何で...」
「早くっ!セルリアンを倒さないとみんな死んじゃうよ!」
「ええっ...」
「早く来てよっ... !」
彼女の言ってることは理解できない。
しかし、その焦ってる様子から、唯ならぬ緊迫感を感じた。
「...わかったよ」
仕方なく、サーバルに導かれるまま、1人体育館を出た。
人気のない裏手に誘導される。
「あれはセルリアン...。輝きを奪うんだ」
「輝き...。奪われたらどうなるの?」
「ヒトだったらセルリアンになっちゃうんだよ!ていうか、説明はあとあと!」
サーバルはバックから先程のボスを出した。
「これはちょっと変わったボス!腕を出して!」
言われるがまま右腕を出す。
ボスがその上に乗った。
(この子が特別な輝きを持った子なら...)
彼女の言ったボスは不思議なことに光り始め私の腕に、腕時計の様な形状をして
変化した。
「な、なにこれ...」
「やっぱり...!お告げの通り!」
サーバルは歓声を上げた。
「後はこれ!」
「これは...?」
メダルを渡される。
丁度この右腕の奴に合う大きさ。
「フレンズメダルだよ!さ、早く!」
私は、右手のボスが変化した所に、
サーバルのメダルをはめ込んだ。
そして...
「...すっごーい!わたしみたい!」
両手を見るとサーバルがしている手袋みたいな物を身につけている。
このスースーする感じ...
耳も二本ある気がする。
「私が...、サーバル...?」
「あっ!セルリアンが!」
サーバルが指差す先にはグラウンドから体育館を凝視する目玉。
「石を狙うんだよ!」
「えっ、私がっ!?」
「そうだよ!野生解放してパッカーンだよ!」
「んなこと言われたって...」
「いいから早くっ...!!」
「安心シテ。ボクガサポートスルヨ」
腕のボスが喋った。
「キミハ一時的ニ、サーバルノ能力ヲ、得テイル。ソレヲ生カスンダ」
「サーバルの能力って...」
「高イジャンプ力ダ」
よくわからないけど、やるしかない。
大きなセルリアンは私を見た。
片足を私に向かい振り下ろす。
ズドーンと砂埃が舞った。
(凄い...足も早くなってる...)
彼女は石と言っていた。
背中にあるかもしれない。
思いっきりジャンプしてみた。
「...!」
トランポリンで跳ねたように体が軽く飛び上がった。
「石...!」
「野生解放ダヨ」
「なにそれ...」
「エッ」
「えっ?」
そのまま野生解放をしないまま、石を攻撃した。
「...っ!」
硬い。そして、跳ね返されるように地面に降りる。
「いったぁ....」
右手を撫でる。
「野生解放シナイト、ソウナルヨ」
「だってやり方が...」
再びセルリアンがこちらに向かい、前足で攻撃を仕掛ける。
単純な攻撃なので余裕で避けれる。
「集中スルンダ。ソシテ、サーバルトノ心ヲヒトツニ...」
(心をひとつ...)
軽く息を吐いた。
夢で聞いた言葉...
『仲間を信じる』
この姿は私の身体だけじゃない。
サーバルの身体も背負っている。
言わば、一心同体。
しゃがんで、目を見つめる。
(私なら...行ける!)
再度、片腕を私に振り下ろした。
それを持ち前の早さで避け後ろへ回り込む。
そして、飛び上がって...
(野生解放...!)
光り輝いた右手が石に突き刺さった。
ピキ...ピキ...
亀裂の入る音を立て、そして、石が砕け散った。
「はぁっ...」
黒セルリアンは消滅した。
「やった...」
その途端体育館から歓声が聞こえた。
(っていうか、この姿ちょ、恥ずかしいな...)
急いでみんなの視界から外れた。
「やったね!みずぎちゃん!」
「あの...みずぎじゃなくてミズホ...
ねぇ、ちょっと後で色々聞きたいんだけどさ...」
「わかった。でも、凄かったよ!
会ってばかりの私の姿で野生解放するなんてね!普通は絆を築かないと大変みたいなのに...」
彼女はそう言った。
色々あったが学校を終え、家に帰宅した。
自分の部屋でサーバルを問いただした。
「改めて、わたしはサーバルキャットのサーバル!よろしくね!」
「現川ミズホ...」
「みずほちゃんね!今度は間違えないから!」
サーバルは笑った。
「ところで、アンタの姿ってさ、
私にしか見えないの?」
「うん。特別な人しか見れないんだよね」
「で、どこから来たって?」
「ジャパリパークだよ」
「ジャパリパーク...ってどこ」
「知らないの?」
「知らないよ」
お互いに顔を見合わせた。
「ええっ...!?」
素っ頓狂な声を彼女は出した。
「知らないものは知らないから...」
「ボクニ触ッテ。ジャパリパークニ連レテクヨ」
唐突にボスが喋った。
「えっ」
「行こう行こう!」
無理矢理サーバルに手を取られ、
ボスに触れた。
「えっ、ちょ!?」
「ここは...」
「サーバル!それから...、誰なのです」
「ハカセ、ヒトではありませんか?」
何やら白いのと茶色いのが喋ってる。
「という事は我々が発明した、移動システムは正常に動作したという事ですね」
「やりましたね」
顔を見合わせ頷いた。
「あっ、みずぎちゃん、ここがジャパリパークだよ!」
サーバルが起き上がって言った。
「だからミズホだって...
あの人達は?」
「私はこのジャパリパークの長であり
賢い頭脳を持つアフリカオオコノハズクの博士です」
「そして私はジャパリパークの長の右腕であり、天才的な閃きの頭脳を持つワシミミズクの助手です」
(賢い...?新手のナルシスト...?)
「今何が起こってるか、わからないと思います。あなたに事情をお話ししましょう。まあ図書館に来てください」
そう案内された。
「良いですか。まず、あなたは“ジャパリパークがなく、人間が生存する世界線”から来たのですよ」
博士は腕を組み、言った。
「は?」
「パラレルワールドというのをご存じですか」
助手が黒板を引きながら、やって来た。
「あー...、聞いたことは」
チョークを持ち、白い線を引いた。
「パラレルワールド...
この世界と別に存在するもうひとつの
世界のこと。この世に無数に存在すると言われてます」
「じゃあこの世界は...」
「この中心の線が今いる世界です」
助手はトンと黒板を叩いた。
「この世界の概要をお話しましょう。
かつてセルリアンの女王事件が起きた時間軸です。その後、ヒトのフレンズが生まれ...色々あったそうです 」
「博士さん...?説明がざっくりすぎる気が...」
「仕方ないのです。フレンズは文字を書くことが出来ません。だいたい口で伝わって来たものなので、詳細な資料などが少ないのですよ」
博士は顔を顰めて言った。
「で、あなたが来たのはジャパリパークが存在せず、人間が生存している世界なのです」
助手が私を見た。
「どうして私を呼びつけたんです?」
「人間の生存する世界を作るためです」
博士は真剣な顔で言ったのだった。
「この世界...この時間軸はヒトが絶滅してしまった。それを防ぐのです」
「人間の絶滅の原因...、それがセルリアンのほんど襲来なのです」
セルリアン...、あの黒い奴のことだ。
「これが人間の絶滅の原因を記した本なのです」
「“かばん”というヒトが、書き記した本です」
「彼女は唯一この島から本土に行った
ヒトなのです」
「この本は人間の絶滅の原因について
詳細に書かれていました」
博士と助手が交互に喋った。
「それが、セルリアンが本土を襲ったことなのです」
私は右手を掲げ、質問した。
「あのー...、それならこの時間軸で
過去に行って人の絶滅を食いとめればいいんじゃないですか?博士達の技術力ならタイムマシンくらい作れるでしょ」
「それではダメなのです」
「ダメなのです」
口を揃えて言った。
「この時間軸の過去を変えたら、この本を書いたかばんが消えるのです」
「実際に行って確かめたのです。
かばんが消えてしまっては、我々の祖先が消えてしまうのです」
これだからタイムトラベルは面倒臭い。
やった訳じゃないけど。
「度重なる検証の結果...、我々は唯一
人類を生存させる世界線を作り出す方法を見つけたのです。それが、あなたの世界で出現するセルリアンを倒すことなのです」
博士は指を向けた。
「1つ、確認ですけど...
私が人類を生存させたら、博士達は消えるんじゃ...」
「未来が上書きされますからね。
しかし、その覚悟は出来てます。
かばんを人間に接触させる。それによりこのパークの未来を変えることが出来る」
「この世界はそんなに
「それはわたしの願いなんだ」
隣のサーバルがそう語った。
「私の前の...、わかんないけど、
ずっと前のサーバルはそのかばんと旅をしてたみたいなんだ。
それで、こんなメモを見つけたの」
サーバルはバックから紙を取り出し、
私に見せた。
まるで3歳児が書いたようなカクカクした字だった。なんとか、ひらがなで書いてあるので読めた。
“かばんちゃんがひととあえますように”
「正直、かばんってヒトがどんなヒトなのかは知らないけど、その願いを叶えたいなって...、その先の未来がどうなるかわからないけど...、でも...」
「だから、私だったの?」
「夢を見たんだ。輝きを持った人が現れるって...。言ったと思うけど、最初に出会ったヒトが、あなたのパートナーだって。だから、博士に頼んで...」
「ハァ...。祖先の夢を叶えるために、態々自分の未来を消してまで...」
普通の人はなかなかそういう事は出来ない。いや、単に彼女がお人好し過ぎるのかもしれない。
しょうもないと思った。
「未来を変えるんだったら...、変えてみなよ」
サーバルにそう声を掛けた。
「みずぎちゃん...」
「だからミズホだって...」
何故間違えるのか。
記憶力皆無なのが玉に瑕だ。
「ところでこのボスはどういう仕組みなの?」
膝上にボスを乗せた。
「私が開発した発明品...
通称『時空間転送機能付きけものプラズム変換装置バージョンラッキービースト』です」
「略称『多機能ボス』です」
(ネーミングセンスなっ...
つか、略称適当...)
「けものプラズムを用いた研究を我々は行っていたのです」
「遂に、それの実験も成功させたのですよ」
「けものプラズムの威力を最大限に引き出す為に必要なのは、キズナなのです。キズナを溜め込むことの出来るキセキセキをりうきうで集め、
頑張ってフレンズメダルを作りました」
「それがこれです。サーバルから貰いましたよね」
2人も自身のメダルを見せた。
改めて見ると精巧に作られている。
技術力に脱帽だ。
「あなたはフレンズとキズナを結んで、
フレンズメダルを手に入れるのです」
「それぞれ性能が違いますからね」
「くれないんですか?」
「あげるわけないのです」
「そうなのです。では、この数学の問題が解けたら差し上げてもいいでしょう」
「そうですね、助手。数学を解けたら差し上げましょう」
そして難しい公式を書き始めた。
いつかに見た大学教授が主人公のミステリードラマを思い出した。
「ねぇ、あの二人っていつもああなの?」
「そうだね。いつも実験してるか数字の勉強してるかだね」
「さあ、ミズホ。三角形 ABC において,tanA,tanB,tanC がいずれも整数となるときのtanCを求めてください」
博士は指を差した。
「ちょま...ちょま...。
他の方法は無いの?っていうか、こんなんでキズナ深められんの...?」
「他の方法ですか」
「他の方法...」
二人は顔を合わせた。
「...私達の祖先もメモを残してました。それによるとどうやら、料理という物に媚びていたようで...」
「数学や研究以外に興味はないのですが...、まあ料理でもいいですか」
「しょうがないですね」
2人の言い方に少しイラついらがまあいいだろう。
2人の為に料理を作ることにした。
(料理で絆深めるなら...)
「あのさ、料理作るんならアンタ達も手伝いなさいよ」
「は?」
「は?」
私のことを怪訝な顔で見つめた。
「嫌なら、未来変えないよ?」
「...しかたないですね。かばんより性格がクズなのです」
「...嫌なやつを連れて来ましたね」
(聞こえてるんですけど...)
「みずぎちゃん!わたしも手伝うよ!」
「だから、ミズホだって!!」
博士達のフレンズメダルを貰うため料理を作ることにした。
(あ...、料理した事ないけど...。なんとかなるか...)
不安要素は完全に拭えないが。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
【作者より】
2話分書きましたが、何か二番煎じぽかったので没にしました。原稿消すのもったいないんでここに置いときまスゥゥゥゥ....
タイトル考えてないんで、なんかいいタイトルあったら付けてください(他力本願寺)
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