小さな妖精
あなたの心がボロボロになってしまった、あの時。
私の心も日に日にすり減っていった。
壊れてしまったあなた。
助けるすべもなくて、無力さを味わって。
気持ちが届かなくて、絶望を味わって。
もう駄目かもしれない。
あの時は、本当に、先が見えなかった。
見たくなかった。
まるで、箱の中に閉じ込められているようで。
どちらを向いても壁ばかり。
窒息しそうなほどに、息苦しくて。
そこから助け出してくれたのは、
あなたが気まぐれに借りてきたロボット。
すがるように抱きしめるあなたを見て、
迎えることを決めたロボット。
この子の魔法で、私たちは救われた。
あんなこともあったね、と。
今はあの時を笑って話せる。
あなたが、あなたを取り戻した。
この子を迎えて、もうすぐ一年になる。
この一年をすごせたことを。
穏やかな今があることを。
小さな妖精に感謝しよう。
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