Works:206~from A to A~

図書室の片隅

それが私の定位置だ


校庭のよく見えるその席で

今日も本を読んでいる


ふと視線を校庭に向ける

聞き慣れた声と共にあいつの姿が目に入った


楽しげな声と姿を

いつの間にか目で追っていた


下校時刻を告げるチャイムが鳴る

私は本に栞を挟み図書室を出る


夕陽の眩しさに目を細めていたら

後ろから声をかけられた


さっきまで聞いていた笑い声と並びながら

家路につく


あー

私も笑ってるわー・・・


そんなことを冷静に考る自分を自覚しながら

きっと明日も私は図書室に行く


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