Works:179~SAKURA STORM~
息を飲んだ少女
その景色を目に焼き付ける
月日は経ち
雪解け水のせせらぎが耳を打つ頃
少女はキャンバスに筆を振るう
虹色の世界を閉じ込めようと
それでも
描いた絵には赤いバツ
どうして?
どうして!?
そう思いながら一心不乱にキャンバスへ向かう
引き裂かれた紙
その中に崩れ落ちる少女
疲れ果て
眠り
窓を叩く風の音に目を覚ます
寝ぼけ眼の少女
何かに導かれるように外へ出る
眼前に広がる光景
風に舞い踊る幾千の桜の花びら
そして少女は気付く
色とりどりの世界への鍵は自分の中にあるのだと
再び月日は経ち
母となった少女は子供に語る
奇跡はありふれた日常に埋もれていると
扉はいつでも開かれているのだと
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