Works:194~Pure Snow~

ふと、思い返すと

いつも手を引いてくれる人がいたように思う


右も左もわからない

そんな私を見て


さぁ、行こうか!って

そんな風に


いつの頃からか

お互い一人で過ごす時間が増え


気が付いたら独りだった

それでも私は・・・


止まらなかった

止まれなかった


時は経ち

無機質に日課ともいえる行為をこなす日々


帰路で出逢ったのは

途方に暮れたような表情の少年


何の気紛れか

私は声をかけた


その時の喜ぶ顔を私はよく覚えている

無垢な何色にも染まっていない彼と過ごす時間


それは私に色を戻すと同時に

彼にも色が付いていった


いつかは違う道を歩むのだろう

だが、今暫くは


この色を分かち合う日々を

生きたいと願う


そして、今日も一日が始まる

さぁ、行こうか!


私は彼の手を引く

いつかの誰かと同じように

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る